24歳日本人が「全盛期の稲本さんのよう」 欧州で本領発揮…代表OBも絶賛の“推進力”【見解】

佐野海舟がマインツで存在感を見せつけている【写真:Getty Images】
佐野海舟がマインツで存在感を見せつけている【写真:Getty Images】

【専門家の目|太田宏介】佐野海舟がブンデスリーガで3位のデュエル勝利数を記録

 ドイツ1部マインツで圧倒的なスタッツを記録する24歳の日本人がいる。MF佐野海舟は1年目で欧州5大リーグ内「最速プレーヤー」トップ5入り。またリーグ内3位のデュエル勝利数も記録した佐野の凄さについて、元日本代表DF太田宏介氏に尋ねた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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「昨年、一度解説やらせてもらってから、かなり重点的に(マインツの)試合を見ていますね」と語る太田氏。佐野はJリーグで示したポテンシャルを欧州でもそのまま発揮し進化している。「さらに磨きがかかっている」とドイツ1年目でマインツにハマり、成長を続ける佐野に太田氏も期待を寄せている。

「ほかの選手が足出せないところを彼は狩りに行ける。刈り取って次につなげる精度も持ち合わせている。ハードワークできて、味方の穴をしっかり埋めて、なおかつ攻撃の推進力もある選手ってかなり貴重。マインツは凄くいい買い物をしたと思う」

 ボー・ヘンリクセン監督の信頼も厚く、数字上でも驚きの数値を叩き出す。英メディア「TransferRoom」が報じた欧州5大リーグ内「最速プレーヤー」ランキングでは、佐野が堂々の5位に。35.8km/hという記録は、FWアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ|35.7km/h)を超える記録だ(24年12月時点)。

 また、ブンデスリーガ内でのデュエル勝率は、17試合を終えた時点で3位の194回を記録。太田氏は佐野がこうした活躍ができる理由について「チームのスタイルと海舟のスタイルが完全に合致していること。試合をやるごとに精度も上がってきて、普通の人じゃ怖くて行けない五分五分のボールも、ブンデスのヨーロッパの選手にガツガツ行ける」点を挙げる。

「僕からしたら『それいくんだ。危ない』と思うけど、たぶん感覚が全然違う。本当に危ないところは回避して、かわせる頭の良さがある。より高いレベルに行けば行くほど成長する選手かなと思う。(遠藤)航はどっしりアンカーとして構えて、散らしていくタイプ。海舟は構えながらも前に持っていける推進力も持ち合わせているので、全盛期の稲本(潤一)さんを見ているような感覚です」

 日本代表のキャプテン遠藤航(リバプール)とはまた違った良さを持つ佐野はまだ24歳。FC町田ゼルビア、鹿島アントラーズ、そしてドイツ1部へと着実にステップアップしていった逸材の今後の飛躍を、太田氏も楽しみにしている。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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