日本人の豪快ミドル弾「デ・ブライネみたい」 “新時代”に長谷川唯が示した武器「凄いです」【見解】
【専門家の目|太田宏介】長谷川は2年連続でバロンドール候補に
イングランド1部マンチェスター・シティには、世界有数のプレーメーカーの1人であるベルギー代表MFケビン・デ・ブライネが在籍している。2024年も多くの反響シーンがあったなか、「デ・ブライネみたい」とも評されたなでしこジャパン(日本女子代表)MF長谷川唯の豪快なミドル弾について元日本代表DF太田宏介氏に凄さを尋ねた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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長谷川は2022年7月からシティ女子チームに所属。24年2月7日に行われたリーグカップ準々決勝のトッテナム戦では、鮮烈な一撃を見舞う。前半34分、左のコーナーキックからショートパスで味方につながると、ペナルティーエリア外にいた長谷川へボールが渡る。相手DFが寄せてくる前に右足を振り抜き、強烈なシュートをトッテナムのゴールに蹴り込んだ。
「デ・ブライネみたい」とファンからも絶賛を浴びたこのゴール。太田氏も長谷川の才能を称える。「相手2枚が寄せてきているなか、ファーストタッチを置く位置も難しい。素早い形でシュート打たないと形にならない。コンパクトな振りの速さ、ミートするパンチ力…。デ・ブライネと同じチームだし比較されることもあると思うんですけど、でもあの場所が女子選手でシュートレンジというのは、それだけで武器になりますよね」と、一撃に詰まった魅力を語っている。
長谷川は2022-23年、23-24年シーズンと、2年連続で女子バロンドール候補30名にノミネートされた。シティでの活躍に加え、なでしこジャパンでも評価を高めており、「不動の地位を築いている」と太田氏も絶賛。「うまいだけではなく、点も取れて戦える。海外の選手が今までやっていたプレーを、当たり前のように日本人がやっている。新時代は凄いですね」と、男女ともに日本人選手の進化をあらためて実感していた。
太田宏介
太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。