元Jリーガーのコーチ絶賛「超いい選手」 田中碧を彷彿…全国準優勝→大学進学の逸材

流通経済大柏の飯浜空風【写真:徳原隆元】
流通経済大柏の飯浜空風【写真:徳原隆元】

流経柏の先制点は、元Jリーガー山根巌コーチの指導が生きていた

 1月13日に国立競技場で行われた前橋育英(群馬)との高校選手権決勝において、前半12分に流通経済大柏(千葉)のMF亀田歩夢が決めた先制点は、相手ボールを奪い切ったMF飯浜空風の守備あってのものだった。

 亀田は「テンカ(飯浜空風)はリーチのある足でいつもボールを奪って、本当にセンスあるパスで自分につなげてくれるので」そう飯浜のプレーを説明すると、「3年間、本当にあいつには感謝してます」と感謝の言葉を口にした。

 一方の飯浜はこの場面をチームオーダー通りだったと話す。

「最初の15分というのはやっぱ点取りに行くというのはチームでやっていて。自分は攻撃も守備もできる選手なので。前からプレスっていうのはやっぱ流経でチームでやっているので、前から行けて、うまくボールを引っ掛けることができて」

 そこから先、亀田に付けるまでの展開をあまり覚えていないと言う飯浜だが「やっぱ、アユム(亀田歩夢)とかああいうところでうまい選手に簡単にボールを預ければ得点までつなげてくれるっていうのは、もう本当に理解してるんで。アユムが見えたので、パス。ちょっと雑な感じでつながったんですけど」と話す。

「やっぱりサポートっていうのは、ボランチとして当たり前で、アユムの良さを引き出すっていうのはやっぱりできる自信があるので。アユムをどう活かすかっていうのは意識してます」と口にして「得点、アユムが決めてくれて良かったです」とチームメイトのゴールを喜んでいた。

 ちなみに目標としているのは「ボールを奪え、組み立てられ、攻撃にも出て行けて、点も取れる」田中碧だとのことだ。そんな飯浜のプレースタイルは元Jリーガーでもある山根巌コーチからのアドバイスあってのものだという。

「少ないタッチでやれっていうのは言われています」

 そう山根コーチからの指導を振り返る飯浜は、より多くボールに関わることを意識するようになったという。

「(ボランチとして)受ける回数が少なかったという印象で、やっぱり出して動く、出して動くっていう、全部に関わるというか、そういうのを意識しています」

 その飯浜に何を伝えたか、実はよく覚えていないと話す山根コーチだが「うちはドリブルできる選手ばかりなので、あいつがいないと回らない」とパスが出せる飯浜の存在の大きさを説明する。

「テンカ(飯浜空風)にはそうしたほうがいい選手になるよ、ってことは言ったんだと思います。あいつドリブルはうまいし、パスのセンスもある。守備が弱かったけど、練習してできるようになってるし。超いい選手です」

 山根コーチは「超いい選手」と説明する飯浜の凄さについて「だってプレミアでハットトリックしてますからね。鹿島ユース戦で(2024年09月15日)、ボランチで、点取る感覚もあるし、パスのセンスもある」と言葉を続けた。

 もともと攻撃的な一面を持っていた選手が捌けるようになり、さらに守備力を手に入れたことで進学先の桐蔭横浜大にとって「超いい補強だと思いますよ。もっと評価されていい選手」だと太鼓判を押した。

 この決勝戦でも局面に応じて攻撃参加。前橋育英ゴールに迫っていた飯浜について線の細さを気にしていた山根コーチだが大学4年間でどこまでその能力を伸ばしていくだろうか。

(江藤高志 / Takashi Eto)



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江藤高志

えとう・たかし/大分県出身。サッカーライター特異地の中津市に生まれ育つ。1999年のコパ・アメリカ、パラグアイ大会観戦を機にサッカーライターに転身。当時、大分トリニータを率いていた石崎信弘氏の新天地である川崎フロンターレの取材を2001年のシーズン途中から開始した。その後、04年にJ’s GOALの川崎担当記者に就任。15年からはフロンターレ専門Webマガジンの『川崎フットボールアディクト』を開設し、編集長として運営を続けている。

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