前橋育英が7年ぶり2度目の選手権優勝 流経大柏はリベンジならず…激闘の末PK戦で決着

前橋育英が2度目の選手権優勝を達成【写真:徳原隆元】
前橋育英が2度目の選手権優勝を達成【写真:徳原隆元】

7年前の決勝カードの再現…1-1のまま延長でも決着つかずPK戦へ

 PK戦に決着を持ち越した激闘は、前橋育英(群馬)が7大会ぶり2回目の優勝を決めた。第103回全国高校選手権サッカーの決勝が1月13日に国立競技場で行われ、前橋育英と流通経済大柏(千葉)の試合は1-1の同点で延長戦までを終え、PK戦のスコア9-8で前橋育英が優勝を果たした。

 ともに2回目の優勝を狙う顔合わせはくしくも第96回大会の決勝と同じカードに。当時は前橋育英が競り勝って初優勝を決めていた。

 前橋育英は初戦で米子北(鳥取)との強豪対決に2-0で勝利。2回戦は愛工大名電(愛知)とPK戦にもつれ込みながら突破するなど、全体的に接戦を制して上がってきた。一方の流通経済大柏は初戦となった2回戦で佐賀東(佐賀)に5-0と大勝すると、3回戦では大津(熊本)との優勝候補対決を制した。準々決勝では上田西(長野)に8-0で勝利するなど、4試合で16得点の攻撃力を発揮してきた。

 互いに硬さの見える入りになった試合で流通経済大柏は前半12分、前線でプレスを掛けるとMF飯浜空風がボールを奪う。そこから素早くつないでMF亀田歩夢に渡ると、キックフェイントも交えてペナルティーエリア内まで切り込んで右足シュートを流し込んだ。J2カターレ富山に入団内定のアタッカーによる切れ味鋭いドリブルから先制点を奪った。

 一方の前橋育英は前半31分、右サイドで苦しい体勢に追い込まれたMF黒沢佑晟が見事なターンで相手の虚を突いて突破。中央にクロスを上げると、フリーで入ってきたMF柴野快仁がヘディングで決めて1-1の同点に。両者一歩も譲らず同点で前半を終えた。

 前橋育英は後半12分に今大会で途中出場からドリブルで存在感を見せているMF白井誠也を投入。すると、流通経済大柏も対面する左サイドバックをDF幸田爽良に交代させて対応し、白井の突破を高い対人守備能力で防ぐなど両監督の采配合戦になった。しかし、流通経済大柏は途中出場させた今大会3得点のMF和田哲平が約10分のプレーで負傷交代を余儀なくされてしまう。J1湘南ベルマーレ内定のFW松本果成が負傷欠場となった中、不運が続いた。

 両チームとも決め手を欠いた試合は1-1のまま延長戦に突入。そこでも決着がつかず、チケット完売で大会史上最多5万8347人の観衆を集めた一戦はPK戦に決着を持ち越された。

 両チームとも5人目まで全員が成功させ、勝負は6人目以降のサドンデス方式へ。7人目まで全員成功で迎えた8人目、先攻の流通経済大柏のキックを前橋育英のGK藤原優希がファインセーブするも、後攻の前橋育英は白井がゴール上に外してしまう。決着がついたのは10人目、前橋育英は藤原が再びファインセーブ。そして前橋育英は柴野が柔らかく流し込んでPK戦のスコア9-8で前橋育英が7大会ぶり2回目の優勝を決めた。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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