久保建英が“50m級”異次元パス「たった1本のパスで」 相手10人置き去り…カメラも予想外【見解】

日本代表の久保建英【写真:徳原隆元】
日本代表の久保建英【写真:徳原隆元】

【専門家の目|太田宏介】相手陣内を横断する久保のスルーパスに再脚光

 森保一監督率いる日本代表は、2024年の北中米ワールドカップ(W杯)のアジア最終予選で5勝1分と圧倒的な強さを見せた。その一員であるMF久保建英は、試合でも技術の高さを度々披露。今回は、そのなかでも大きな反響を呼んだ、敵地バーレーン戦のハーフコート横断スルーパスに脚光を当てる。元日本代表DF太田宏介氏も23歳のたぐいまれな才能を絶賛した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 現地時間9月10日、アウェー猛暑の中行われたバーレーンとの一戦。試合前には日本の国歌へのブーイング、試合中には緑のレーザー光線が日本代表の選手に当てられるなど洗礼をたっぷりと受けたなかで、5-0の快勝を飾る。久保は後半20分から途中出場。SNS上でも大きな話題を呼んだのが、同40分に披露したロングスルーパスの場面だ。

 周囲を確認しながら自陣まで下りてきた久保は、DF谷口彰悟からパスを受ける。素早いターンで前を向くと、相手陣内を切り裂く1本のグラウンダーのスルーパスを通し、抜け出したMF中村敬斗へボールを届けた。前線の相手選手を欺く見事なプレーだったが、惜しくも得点には至らず。それでも「異次元」「カメラが全く追いつけてない」と話題が広がった。

 太田氏も、改めてこのプレーに「あそこで浮き球ではなくライナーで……」と感嘆の声を漏らす。対戦相手のバーレーンは引いてショートカウンターを狙うチームである点にも触れつつ「前に相手のフィールドが10人いて、全員前向きだったところをたった1本のパスで射抜く。さすがですね」と、FC東京時代に共闘した元同僚のワンシーンを嬉しそうに語った。

 多くの選手は「DFの頭の上を狙う」パスをイメージするが、久保は「リスクも伴う」グラウンダーパスで意表を突いた。「下りてくる時点でパスまでイメージしていて、ファーストタッチもそれ用に自分の蹴りやすい位置に置いたと思います。多分建英からしたら、狙い通り、当たり前のプレーだったのかなと。ほかの人が狙えない、選択肢の広さを持っていますよね。素晴らしいです」と常に周囲を見渡し、驚きのプレーを見せた久保を改めて賞賛していた。

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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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