韓国代表が叶えた夢「ほかの海外より日本で」 除隊直前に急展開…1日で即決したオファー【インタビュー】
北海道コンサドーレ札幌のパク・ミンギュが日本に憧れたきっかけとは?
北海道コンサドーレ札幌のDFパク・ミンギュが、学生時代から抱き続けていた日本愛を明かした。今年7月に完全移籍で加入し、獅子奮迅の活躍で韓国代表にも復帰。日本に憧れたきっかけや、「救世主」としてプレーした半年間について聞いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大/全3回の1回目)
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「中学生か高校生ぐらいの時から海外でやりたい、ほかの海外というよりは、日本でやりたいなという思いがその頃からありました。今回、僕はまあまあ若くない年なんですけども、こういう機会をいただいて、嬉しく思っています」
自身初の海外挑戦となる半年を駆け抜けたパク・ミンギュ。そんな彼が初めて日本を訪れたのは、小学生まで遡る。サッカーの大会で来日してホームステイを経験。高校時代にも大会で来日し、「ホームステイでもよくしてくれたし、友達とちょっと外に出たときに、街も綺麗だし雰囲気も良かった」と振り返る。
そのような経験もあり、特に韓国とは違うスタイルに好印象を抱いた。「パスサッカーを若い頃から教わるみたいなこともあったりして、それは韓国には無い環境なので、そういうのを体験したい、学びたいみたいなきっかけでした」。プロ入り後も思いは持ち続けたが、縁は無いまま昨年には兵役を迎えた。
突然の転機が訪れたのは、いわゆる軍隊チームの金泉尚武FCでプレーしていた昨夏だった。「除隊する1か月前くらいに、エージェントからこういう話が来ているよと……」。まさかの日本からのオファーだった。「お話をいただいて1日とか、早いタイミングで行こうと決断をしました」と舞台裏を明かした。
当時の札幌は、8連敗を喫するなどどん底のタイミング。代理人からも状況の説明を受けた。しかし、試合映像を見ると「ほかに比べて負けるようなチームじゃない、十分やれると思った」と確信。移籍が発表されると親交のある元札幌GKク・ソンユン(現京都サンガF.C.)から「おめでとう頑張って」と連絡が来たという。
7月16日に移籍が発表されると、8月7日の横浜F・マリノス戦でデビュー。後半戦はMVP級の活躍で巻き返しに貢献すると、10月にはアジア最終予選を戦う韓国代表にも招集された。チームは前半戦の低調が響いてJ2降格という結果になったが、パク・ミンギュにはサポーターから「救世主」という声もあがった。
「ファンの方からそういった声は聞いて、それに対しては嬉しく思っているんですけども、チームが変わろうとしていた時に、たまたま運よく入ったみたいな。僕が来たからではなく、やっていこうとなっていた時に僕が入ってきた。僕が来たのとチームが頑張っていった、そんなタイミングが合ったと思います」
学生時代からの念願が叶い、日本でプレーした半年間。「妻も日本のことが大好き。2人で喜びました」と、プライベートでも充実した時間を過ごしたようだ。来季の去就は発表されていないが、「来年もファンの皆さんと一緒に戦いたいという思いはあります」と熱い言葉を口にし、オフシーズンへ突入した。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)