Jリーグで起きた”史上初” 10年ぶり快挙…GKが決めた劇的弾が表彰「執念を感じる」【24年厳選】
今治GK伊藤元太がJ3月間ベストゴールを受賞
サッカーは11人で行われるスポーツだが、そのなかでもGKは唯一手を使うことができる。自チームのゴールを守るという特殊な仕事だ。相手のゴールからは最も遠い、自ゴール前が仕事であることから、なかなか得点を挙げることはない。2024年のサッカー界では数々の名シーンがあったなか、今回はGKがゴールを挙げ、しかもそれがJ3の月間ベストゴールに選出された出来事を振り返る。
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1993年に開幕したJリーグだが、2023シーズン終了時まででGKがゴールを挙げた例は9つしかなかった。割合としては3年に一度、あるかないかの出来事ということになる。そんなレアな瞬間が訪れたのは、今年4月6日のJ3リーグ第8節FC今治とAC長野パルセイロの一戦でのことだった。
長野に1点のリードを許していた今治は、後半アディショナルタイム3分にコーナーキック(CK)を獲得する。ここで、中学生までフィールドプレーヤーを務めていたGK伊藤元太が相手ゴール前に上がっていった。そして、MFアンジェロッティが蹴ったCKはファーポストの方へと飛んでいく。大外で待っていた伊藤はフィールドプレーヤー顔負けのヘディングをゴールに決めてスコアを3-3とした。
J3の舞台でGKがゴールを決めたのは、2014年にグルージャ盛岡のGK土井康平がAC長野パルセイロ戦で決めたゴール以来、実に10年ぶりのこととなっている。「熱い」「最高」「執念を感じる」「何回見てもいい」と、伊藤のゴールは当時大きな反響を呼んだ。
ちなみに同年のJ1昇格プレーオフ準決勝では、当時モンテディオ山形のGK山岸範宏が後半アディショナルタイムに決勝弾となるヘディングを決め、チームのJ1昇格の立役者となっており、GKのゴールが2つも出た唯一のシーズンとなっている。なお、Jリーグは月間ベストゴールを13年から選定しているが、J3の月間ベストゴールが制定されたのは19年から。そしてGKのゴールが選出されたのは、史上初めての偉業となった。