元日本代表が衝撃「ドリブル一級品」…突如現れた22歳SB、J1ステップアップで「もっと化ける」【見解】
【専門家の目|太田宏介】24年Jリーグから今季ベストSBを選出
左足の鋭いクロスで名を馳せた元日本代表DF太田宏介氏が、2024年シーズンのJリーグ選手の中からベストサイドバック(SB)を選出した。今季J2リーグで活躍していた、元日本代表MF田中隼磨氏の息子の名前も挙がっている。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也)
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J1では、鹿島アントラーズのDF濃野公人を絶賛。サガン鳥栖の下部組織出身の22歳は、大津高校、関西学院大学を経て今季より鹿島に加入した。大卒ルーキーながら、右膝外側半月板を損傷で離脱するまでリーグ戦31試合9得点と攻撃的右SBの地位を名門クラブで築いている。
「鹿島右SBの伝統っていうところも含めて、1年目であれだけ結果を残しているのは凄いです。自分の力でスタメンを勝ち取って、攻撃面のストロングポイントを出していました」
プレシーズンの試合で濃野を初めて見たという太田氏。「マッチアップするウイングの選手に対しての寄せのスピード、仕掛けられるのを怖がらない姿勢、間合いを詰めて守備ができる選手で『いいな』と思っていたんです。リーグ戦が始まるとゴールで早速結果も残していました」と衝撃を受けたことを明かした。
もう1人、J1からは自身がクラブアンバサダーを務めるFC町田ゼルビアの日本代表DF望月ヘンリー海輝を挙げた。太田氏は以前より望月を「推しまくって」いる。「まだまだ足りない部分はありますけど、ポテンシャルも含め海外トップリーグへ行けるような人材だと思っています」と期待を口にした。
「結構テクニカルなプレーもできますし、切れ込んでカットインしてからのシュートを試合で出せるようになって成長してきています。あとはドリブルしながらトップスピードでのクロスの精度などが課題ですかね。そこを乗り越えて精度を高められると、より一段上のレベルに行けると思います」
今季はリーグ26試合に出場。23歳で初のA代表にも選ばれるなど、望月にとって多くの経験を得た1年になったはずだ。
太田氏絶賛の新保は、山口からJ1復帰の横浜FCへ移籍
そしてJ2から唯一名前が挙がったのが、今季レノファ山口でプレーした22歳DF新保海鈴だ。父は元日本代表MF田中隼磨氏。柏レイソルU-15、セレッソ大阪U-18を経験し、2020年にC大阪のトップチームに2種登録された。21年より山口へ完全移籍し、レンタルでテゲバジャーロ宮崎、いわてグルージャ盛岡へ渡りプレー経験を積んだ。
2024年シーズンは山口に戻ったなか、J2リーグ37試合1得点をマーク。22歳の左SBについて「左利きでボールの持ち方とかもやっぱり少し人と違います。ビルドアップのうまさ、仕掛けるドリブルのセンス、技術の高さ、フィニッシュまで持っていく強引さも兼ね備えています」と太田氏ならではの視点も踏まえ、能力を称えている。
「三都主アレサンドロみたいな……。左足のキックモーションとフェイント、キレのあるドリブルは一級品ですね」
また太田氏は「謙虚で礼儀正しくて。挨拶もしっかりできるめちゃくちゃナイスガイなんです」と、人柄の部分でも新保に夢中。12月16日にはJ1昇格を決めた横浜FCへ完全移籍が決まっている。本人も初のJ1へ。これから「もっと化ける」と、太田氏も太鼓判を押した新保から目が離せない。