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同期にA代表2人…突きつけられた“契約満了” 明暗に心境吐露「23歳ってもう若くないんで」
名古屋を契約満了になったDF成瀬竣平がトライアウトに参加
2024年JPFAトライアウトが12月11日に栃木県内で開催されたなか、つい数日前の12月6日に契約満了が発表された名古屋グランパスDF成瀬竣平の姿がそこにはあった。23歳ながらJ1での経験を持つ成瀬、トライアウトに臨んだ理由や胸中を明かした。
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23歳の成瀬は中学年代から名古屋の下部組織に在籍し、2018年に高校3年生ながらトップチームデビューを飾り、17歳2か月1日での出場は名古屋の最年少出場となった。20シーズンには当時のマッシモ・フィッカデンティ監督に見出され、リーグ戦25試合に出場。翌年も18試合と経験を積んた。
しかし22年に現在の長谷川健太監督が就任したタイミングで、ファジアーノ岡山にレンタル。昨季はモンテディオ山形、途中から水戸ホーリーホックに期限付き移籍をした。そして今季もV・ファーレン長崎に期限付き移籍をしたが、リーグ戦は1試合7分の途中出場のみに終わった。
そして長崎との期限付き移籍満了、名古屋からの契約満了が12月6日に発表され、「僕自身ちょっと迷った部分もあった」とトライアウトに出場するかどうか悩んでいたことを明かした。
「やっぱり今年試合出れなくて、出てる選手を見てすごく悔しい気持ちを持ったとともに、長崎には新スタジアムもできて、すごく羨ましくも思った。さらに自分が一緒にやってきた選手は、今フル代表や海外でやっていたり、同期の選手も結構頑張ってるのは自分も負けてられないなって。立場が違うんですけど刺激をもらっているんで、自分も諦めずにやっていけたらなと思って参加しました」
成瀬の名古屋ユースからの同期入団には菅原由勢(サウサンプトン)、藤井陽也(コルトレイク)がおり、ともにA代表に呼ばれ出場しているなかで葛藤がありつつも、刺激になっていると言及している。
焦りと葛藤「上を見ちゃうとどうしても悲観的になっちゃう部分がある」
フィッカデンティ体制時に躍動し、名古屋の右サイドは安泰だという声も挙がっていたが、監督との巡り合わせなどもあり退団。「僕すごく上手いと自分で思ってるんですけど、監督もこういうサッカーがやりたいっていうところで、その戦術にはまらなかった」と、活躍できずに退団となった経緯を振り返った。
「仕方ないなっていうのは率直な気持ちで、多分名古屋側も試合に出てれば考える余地はあったと思う。どうしてもこういう時は、周りに矢印を向けちゃう時があって、悔しいとか苦しい時間は多くあった」と契約満了と伝えられた時の心境を明かした。
J1で活躍し、J2で序盤は試合に出るも、直近2シーズンは出場機会が減っている状況の成瀬だが、将来的にどのカテゴリーでプレーしたいのかと問われ、「今の気持ちとしては、どうしても長崎と来年試合したい。なのでJ2には残りたいかなっていうのは個人的に思ってるんですけど、状況によってまた変わっていくと思うんでその時に決めたいかなと思います」と、試合にはほぼ出られなかったが、長崎では良い思い出があり、いいチームだったから対戦したいと語った。
「23歳ってもう若くないんで、上を見ちゃうとどうしても悲観的になっちゃう部分があるんですけど、自分自身まだまだサッカーをやりたいんでそういった気持ちがこういった行動(トライアウト参加)を起こしたのかなと思います」と、葛藤があると明かしている。
最後には「課題として明確なものはあるんでそこを克服しながら、とにかくやっぱ試合に出てないと周りにも見てもらえないと思うんで。どうしてもやっぱりプロである以上結果を出さないといけないっていうところで、数字として残してない部分は多くある。僕のプレースタイル的にはアシストの1個前のプレーだとか、結果としては見えない部分が多くあるんですけど、そこをより先の部分でもっと突き詰めていけたらなと思います」と、自分自身の課題に向き合いながらも、特徴である攻撃の部分をもっと磨きたいとしている。
U-15からU-21まで各年代で日本代表に招集され、将来を嘱望された23歳の成瀬。再び上昇気流に乗れば、同期の菅原、藤井とともに代表招集されるのも夢ではない。この逸材DFが来年はどのユニフォームを来て活躍するのか、今後のキャリアにも注目していきたい。
(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)