久保建英と「一緒にプレーしてみたい」 高卒→ドイツ行きの20歳、A代表で「やれないことはない」【インタビュー】

ドイツで日々成長する福田師王【写真:Getty Images】
ドイツで日々成長する福田師王【写真:Getty Images】

ボルシアMGのFW福田師王はチームメイトのDF板倉滉の存在が支えに

 現在、ドイツ1部ブンデスリーガのボルシアMGに所属している弱冠20歳のストライカーがFW福田師王だ。超高校級の呼び声も高く約2年前の全国高校サッカー選手権を沸かせたが、現在はドイツで着実に実力を伸ばそうとしている。そのチームメイトが日本代表DF板倉滉であり、その存在は福田にとって代表チームを目指す場所としてより現実のものにしているという。(取材・文=轡田哲朗/全3回の2回目)

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 神村学園(鹿児島)のエースとして高校サッカー界のスターだった福田は、オファーを勝ち取り卒業後の進路をドイツに定めた。そのボルシアMGに所属する板倉とは、トップチームの練習ではチームメイトとして過ごすことになった。その先輩について「オランダにいる時に田舎だったらしくて、羊に毎朝おはようと挨拶して、暇だから1頭ずつ名前を付けていったらしいです」という衝撃的なエピソードも披露して笑った福田だが、本当に心強い存在になっていると話す。

「色々な面で助けてもらっていますね。チームに1人、日本語が話せる人がいるのは心も落ち着く。色々な経験をしてきているのを話してくれていて、辛い経験も悔しい経験も皆がするんだから自分もしようと捉えられる」として、その存在は「毎日のトレーニングを100%でやるのは絶対に心がけていて、今はトップチームに板倉選手という素晴らしい日本代表の選手がいる。そういう選手に負けないように、練習前から『よし、戦おう』という気持ちで出ていく。1日、1日を無駄にできないと思っているし、世界は広くてすごい選手もたくさんいるから、それくらいの覚悟がないとやっていけないと思っているので」という日々につながっている。

 2004年4月生まれの福田は、世代的に2028年のロサンゼルス五輪には出場できない。今年のパリ五輪で、最も年上の選手とは3歳の差がある中で出場するのがアンダー世代では最後の可能性だった。それでもU-20日本代表なども含め、代表活動には数回参加しているが「Jリーグに行っていたらどうだったのかなと思うことはありますね。いい刺激をもらった。日本のために戦っているのは素晴らしいことだと感じる」との思いにはなったという。しかし、そうした同世代よりも「板倉選手とは色々な話はしますね」として、あくまでもA代表への野心を持っている。

「サッカーをしている人はみんな目指している場所じゃないかと思う。ワールドカップ(W杯)は日本サッカーの価値を示す大会だと思うし、すごく大事に捉えていますね。もちろん呼ばれたいと思っているし、そのためには自分のチームでの結果が大切だと思う。その中でゴールという結果を残していけば、自然と呼ばれると思っているので。

 入ったらやれる気がするし、やれないことはないと思う。板倉選手からも常日頃、『チャンスだよ、頑張れよ』と言われる。田中碧選手のパスをもらってみたいし、伊東純也選手のクロスの質も素晴らしいと思う。久保建英選手のセンスは日本人じゃなかなかいないものだと思うし、一緒にプレーしてみたいですね」

 そのためには、自身が話したようにブンデスリーガ1部で通用する姿をアピールしなければならない。「自分としては、5ゴールは決めたい。板倉選手と目標を言い合って、越えなきゃと思っている。クロスへの飛び込み、背後への抜け出しなら仕留められる気持ちがある。いけるという自信はありますよ」と、活躍への思いを話した。

 現在、日本代表は2026年北中米共催ワールドカップ(W杯)へのアジア最終予選を戦っている。6チームずつ組み分けられたリーグ戦の上位2チームに入って予選を突破すれば、本大会まで約1年間の準備期間が取れる。欧州の今シーズン、ドイツ1部でチャンスを勝ち取って活躍を見せれば、新戦力として注目を集めることは十分に可能だろう。高校卒業から間もなくドイツに渡っただけに、その成長を「代表に選ばれて見てもらうのが一番」とも話す。ポテンシャルは間違いない若きストライカーがドイツで本格的なブレークを果たす瞬間が期待される。

[プロフィール]
福田師王(ふくだ・しおう)/2004年4月8日生まれ、鹿児島県鹿屋市出身。同県の名門・神村学園中等部から高等部へ進学。全国高校サッカー選手権で一躍注目を浴び、国内外で争奪戦となった。卒業後はドイツのボルシアMG入りを決め、24年1月にトップ昇格。年1月28日、強豪レーバークーゼン戦で途中出場してブンデスデビュー。23年にはU-20ワールドカップに出場した。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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