ブンデスで躍動…今の調子なら「遠藤の代わりできる」 森保Jに呼んで欲しいドイツ組【前園真聖コラム】
元日本代表の前園真聖氏が推奨「森保一監督にぜひ呼んでほしいと思う選手」
2024年の日本代表では多くの選手が出場のチャンスを得た。その一方でなかなか活躍の機会を与えられなかった選手もいた。今の国内外のプレーぶりから、森保一監督にぜひ呼んでほしいと思う選手は誰か。元日本代表の前園真聖氏はブンデスリーガで活躍する2人の選手の名前を挙げた。(取材・構成=森雅史)
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今の日本代表に加えたほうがいい選手は誰か。僕は若手で今後の成長を促すためにチームに加える選手ではなく、即戦力は誰かと考えました。
Jリーガーの中で名前を挙げて考えていくと、いくつかの共通点がありました。それは、みんな海外クラブでのプレーを経験しているということです。たとえば相馬勇紀(FC町田ゼルビア)にしてもポルトガルのカーザ・ピアで経験を積んでから日本に戻ってきました。
今の日本代表が、海外組だけで2チームを構成できるような選手層である以上、やはりその海外の基準をしっかり体感しておくことが大事だと思います。確かにJリーグで輝くプレーを見せた選手に対して「すぐ代表に入れてほしい」と思う気持ちも分かりますが、ここは厳しく見ておくべきでしょう。
ですから、今の日本代表に入っていなくて、海外のクラブで調子のいい選手、なおかつ日本代表に必要だと思われる選手で探します。すると僕はまず佐野海舟(マインツ/ドイツ)が思い当たります。
2024年の佐野は1月1日のタイ戦で90分間プレーし、そのままカタール・アジアカップのメンバー入りも果たしました。アジアカップでは初戦のベトナム戦、第3戦目のインドネシア戦に途中出場したものの、合計のプレー時間は21分と多くありませんでした。
ですがマインツに移籍したあとはずっとスタメンを続けています。これまでに得点こそないもののチームメイトからの信頼感は抜群。守備能力の高さだけではなく、ボールを奪った後のパス出しなども的確です。この佐野の能力の高さが、今年のマインツの躍進を支えていると思います。
今、日本代表では中盤の要である遠藤航(リバプール/イングランド)はクラブでなかなか出場機会に恵まれていません。遠藤はベテランですから試合勘がなくなるということはないのかもしれませんが、それでもコンディションには不安が残ります。
そんな時、僕は遠藤の代わりができるのは佐野だと思うのです。また、佐野は遠藤にないスピードがあります。
森保監督はきっと佐野が移籍したばかりだということや、移籍前に問題があったことなどを考慮して最近は招集していないのでしょう。ですが僕が見る限り、今の佐野の調子は日本代表に必要ではないかと思います。来年のどこかのタイミングで佐野を代表に戻し、経験を積ませるべきではないかと思っています。
そしてもちろん、ほかにも森保監督に招集してほしい選手はたくさんいます。たとえば度々名前を挙げてきましたが、町野修斗(ホルシュタイン・キール/ドイツ)もプレーの幅を広げていて、2022年カタール・ワールドカップの頃とは違った姿を見せてくれています。今の日本代表にどう適合させるかでしょうが、力は示しているので町野にも声をかけてほしいと思います。
今年の日本代表には48人の選手が招集されました。森保監督のいいところの1つは、きちんと選手たちにチャンスを与えてくれることです。来年、いつかのタイミングで佐野や町野が青いユニフォームを着ている姿が見られることを願っています。
(前園真聖 / Maezono Masakiyo)
前園真聖
まえぞの・まさきよ/1973年生まれ、鹿児島県出身。92年に鹿児島実業高校からJリーグ・横浜フリューゲルスに入団。96年のアトランタ五輪では、ブラジルを破る「マイアミの奇跡」などをチームのキャプテンとして演出した。その後、ヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)、湘南ベルマーレの国内クラブに加え、ブラジルのサントスFCとゴイアスEC、韓国の安養LGチータースと仁川ユナイテッドの海外クラブでもプレーし、2005年5月19日に現役引退を表明。セカンドキャリアでは解説者としてメディアなどで活動しながら、「ZONOサッカースクール」を主催し、普及活動を行う。09年にはラモス瑠偉監督率いるビーチサッカー日本代表に招集されて現役復帰。同年11月に開催されたUAEドバイでのワールドカップ(W杯)において、チームのベスト8に貢献した。