黄色く染まるスタンドが「海外かと」 1100キロ超離れた敵地に2000人…クラブOBも絶賛
「アウェーと言えど、相手にとっては脅威ですよ。味方には最高のパワーをくれる」
J1昇格プレーオフ準決勝が12月1日に行われた。J2で6位だったベガルタ仙台は同3位のV・ファーレン長崎と対戦し、4-1で圧勝。敵地で選手たちの背中を押したのはアウェー席を黄色に埋め尽くした大サポーター軍団だった。仙台OBで元日本代表の太田吉彰氏も「サポーターの凄さ。あれだけの大声援は選手の力になりますし、相手にとっては脅威」と目を細めていた。
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まさかの展開だった。前半31分に得たPKをFW中島元彦が決めて仙台が先制。後半8分にはFWエロンが、同23分にはMF郷家友太がゴールを決めてリードを3点に広げた。同30分に1点を返されたものの、アディショナルタイムに中島がこの日2点目となるゴールを決めて、勝利を確実なものにした。
太田氏は先制点が何よりも大きかった、と分析する。「仙台は勝たなければいけない状況なのでやることに迷いがなかったと思います。運動量、鋭さ、しっかりした守備からのカウンターと、この3週間、相当な準備をしていたことは分かりました。長崎の強力な外国人選手の良さを消すことができた。先制して、長崎も前に来ないといけない状況を作ったというのが大きかった。相手が前に来たことでカウンターを仕掛けられるようになり、追加点につながった」。仙台が1点を先行したことで、長崎が前がかりにならざるを得なくなり、2点目以降の“足がかり”になったという。
長崎は新たな本拠地「ピーススタジアム」でリーグ戦3試合で13得点、3戦全勝を誇っていた。そんなスタジアムで仙台の選手が臆せず戦えたのは、アウェーゴール裏を埋めたサポーターたちの存在があったから、と太田氏は言う。
「あれだけ多くのサポーターが長崎まで行って大声援を送っていた。映像で見ていても、すごく声が聞こえていました。アウェーと言えど、相手にとっては脅威ですよ。味方には最高のパワーをくれるし、相手としては脅威。サポーターの声援ってものすごく力になります。疲れていても、あの声援を聞くと『もっと行くぞ』『もっと行ってやるぞ』ってなるんです」
直線距離で1100キロ以上離れた長崎の地に駆けつけ、スタンドを黄色く染めた仙台のサポーターたち。ファンの間でも「海外クラブかと思った」「レベルが違う」「すごい……」「えぐすぎて好き」と話題に。大声援という“無形の力”が選手たちに与えたものは大きなものだったようだ。