J3なのに…敵地大移動“4513人”「地域で根付いている証」 元日本代表も絶賛する熱量【見解】
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【専門家の目|栗原勇蔵】松本山雅を絶賛…ほかと違う熱量「絶対ありますね」
現在、J3に在籍している松本山雅FCは、シーズンを4位で終えたが、同リーグにおける集客力は圧倒的なものがあった。今シーズンもホームゲームの平均観客数は8489人とリーグトップでリーグ2位の大宮アルディージャの7472人を1000人以上も上回っている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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また、松本のサポーターはアウェーゲームにも積極的に足を運んでおり、「アウェージャック」が話題になる。実際に松本の試合には多くのサポーターが詰めかけており、今シーズンのJ3のアウェーゲームの平均入場者数も4513人となっている。
シーズンを4位で終え、プレーオフを残している松本は、どの試合でもホームゲームのような雰囲気で試合を戦える可能性もある。元日本代表DF栗原勇蔵氏は、このサポーターの後押しについて、「松本のサポーターが熱いのは、どの選手に聞いても言いますよね。地域でサッカー文化が根付いている証だと思います」と語る。
松本のホームといえば、サンプロ・アルウィンだ。2019年まで現役生活を横浜F・マリノス一筋で歩んだ栗原氏だが、松本も2015年、2019年はJ1に所属していた。しかし、アウェーの松本戦では出場できないことが続き、「実はアルウィンには行ったことがないんですよ」と、現役時代に圧倒的なアウェーのアルウィンでプレーすることを経験できなかったことを残念がった。
松本のサポーターの印象について、「すごく熱いですけど品もあるイメージです」と語る栗原氏は、これまで松本に在籍した選手たちから集客できる理由も聞いていたという。「山雅の選手いわく、『娯楽がほかにないから』らしいです(笑)。(週末のサッカーを楽しみにしている人がほかの地域より多いというのは)絶対ありますね」と、一番の楽しみが松本の試合を見ることになっていることが大きいと語った。
J2のクラブにとっても、集客力の高い松本が昇格してくることは非常に望ましいことだろう。何より松本のファンが、自分たちの応援するクラブの昇格を望んでいるはず。ファン・サポーターの大きな後押しを受けるクラブは、彼らとともに4年ぶりとなるJ2昇格を目指して12月1日に始まるJ2昇格プレーオフに挑む。
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栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。DF松田直樹、DF中澤佑二らの下でセンターバックとしての能力を磨き、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退後、横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動。