日本人MFが英国でブレイク「驚きはない」 雨中の技あり弾を代表OB絶賛「半端なかった」【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】バーミンガム岩田智輝は「活躍しても驚きはない」
イングランド3部バーミンガム・シティに所属するMF岩田智輝は、現地時間11月26日に行われた第5節延期分エクスター・シティ戦に先発フル出場し、2試合連続となるゴールを決めてチームの勝利に貢献した。現役時代に横浜F・マリノス一筋のキャリアを歩んだ元日本代表DF栗原勇蔵氏は、横浜FMの後輩の活躍を喜んだ。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
雨の中で行われた一戦の前半11分だった。バーミンガムは右サイドから攻撃を仕掛けると、ゴール前にクロスを入れる。このボールが跳ね返されたところを回収した岩田は、ボールをコントロールしてから狙いすましたボレーシュートをゴール左隅に決めてチームに先制点をもたらした。
岩田は2022シーズンに横浜FMをリーグ優勝に導くと、J1の最優秀選手に選ばれた。2022年12月にはスコットランド1部セルティックへ買い取りオプション付きのレンタル移籍し、2023年7月には完全移籍を果たした。しかし、セルティックでは出場機会に恵まれず、今シーズンからバーミンガムに新天地を求めていた。
J1でMVPに輝いた経歴を持つ岩田は、イングランド3部で大活躍を見せている。ここまでリーグ戦11試合に出場すると、5ゴール1アシストを記録。チームが13位ながら個人としては傑出した数字を残している。
栗原氏は「岩田智輝はマリノスで大活躍してセルティックに移籍して、あまり上手くいかなかったのが意外でした。けれども、元々の能力は半端なかったのでイングランド3部で活躍しても驚きはないですね」と、現在の活躍には驚かず、むしろセルティックで活躍できなかったことに首を傾げた。さらに、この試合のゴールについても、「濡れたピッチをうまく使って、振りを小さくした抑えのきいたナイスゴールです」と称賛した。
欧州で3シーズン目を迎え、新天地で存在感を増している岩田。史上初めてJ3からJ1のMVPに上り詰めた男は、イングランド3部からどこまでステップアップしていくだろうか。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。