選手固定は「降格を避けることが目的」 電撃復帰で苦戦も…やっと出せるスコルジャの色
浦和のスコルジャ監督「初めて少し勇気を持ったメンバー選びができる」
浦和レッズのマチェイ・スコルジャ監督が11月28日、オンラインで定例会見を実施した。シーズンの残り2試合に向け「初めて少し勇気を持ったメンバー選びができる」と話した。
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スコルジャ監督は昨季に浦和を率いたが、家庭の事情で1年間で退任。今季はペア・マティアス・ヘグモ監督が指揮して始まったが、浦和は8月末に解任を決断するとスコルジャ監督が復帰した。9月14日のガンバ大阪戦が初陣だったが、スタメンは固定傾向で若手よりも実績のある選手で固める形で戦った。指揮官も起用法について「来日した時は、まず降格を避けることが目的だった。あまり大きくメンバーをいじらず、強いスタメンを用意してそれを維持しようとした」と話した。
J1残留が決まった後の初戦、11月22日の川崎フロンターレ戦は雷雨でハーフタイムに中止となったものの再開試合だったためメンバー構成に制約があったが、30日のアビスパ福岡戦と12月8日のアルビレックス新潟戦は、そうした制限がなくなる。それだけに「初めて少し勇気を持ったメンバー選びができる。練習で良いパフォーマンスを見せている選手がいる。そのような選手にJ1でプレーする機会を与えたい。今後の2試合で新たな顔を見ることもできるだろう」とした。
一例として、今季に水戸ホーリーホックへの期限付き移籍から復帰したMF武田英寿は昨季のスコルジャ監督指揮下では在籍せず、今季のヘグモ監督の下ではチャンスをつかみつつあったが、9月以降でほとんど出場機会を得られなかった。指揮官は「練習の中でヒデ(武田)は常にベストプレーヤーの1人だ」として、「もともと競争が激しいポジションで、(原口)元気が加入したところではまず元気をボランチで見たいと思っていたので、彼にとって出場は難しかった。ヒデを見る良い機会でもあり、来季に向けた選手を見る機会にもしたい」とコメントした。
前日にDF宇賀神友弥が引退発表の記者会見を行い、長年エースとしてプレーしたFW興梠慎三も今季限りで引退する。残り2試合での出場について「残り試合で彼らがプレーする可能性がある。いい機会だと思う」としたものの、主眼は来季を見据えた起用であり、福岡戦ではその第一段階が披露される見込みだ。
「アビスパ戦では、新たなポジションでプレーする選手もいる。来季のことを考え新たなセットアップも試すが、これはリーグ戦であり我々は浦和レッズだ。正しい姿勢で勝ちにいく姿を見たい。我々にとって難敵とのアウェーゲームであり、今シーズンを見ても初めての組み合わせもあり、難しい試合だろう。大きなチャレンジが待っている。だからこそ、試合前からモチベーションを上げないといけない」
当然ながら、来季を見据えたオフシーズンの選手編成を見越して判断材料を見るタイミングにもなる。新たな組み合わせやメンバー構成で臨む福岡戦は、チームの順位とは別の意味で重要なものになりそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)