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アギーレ流は浸透しているのか 4-0快勝の裏に潜む日本の課題
一見ポジティブなデータの裏側にはネガティブなデータが……
これだけの力関係がある中で、日本が放ったシュートは23本、それに対してパレスチナはわずか6本のみだった。チャンスに繋がる可能性の高いコーナーキックは10本対0本、流れの中からのクロスは27本対5本。つまりパスを回しているだけでなく確実にチャンスメイキングが出来ているわけだ。
しかし、この一見ポジティブなデータの裏側にはたくさんのネガティブなデータも含まれている。23本のシュートを放ちながら枠に飛んだのは8本、枠内シュート率は34%だ。
徹底してトレーニングを行ったクロスに関してはさすがにその意識は高く、流れの中から27本という数を数えたが、味方にダイレクトに繋がったのはわずか3本、つまり成功率は11%に留まった。クロスそのものは長友、酒井高徳いずれも6本ずつだった。成功した3本のうち2本は長友から、1本は香川からのものだ。“慣れた”左からの方が数も結果も出ているという事実が、まだ新しい戦術が浸透していないことを裏付けているかもしれない。
パスの成功率も、選手を中心に見ていくと決して楽観視できない事実が見えてくる。
全体的には83.3%という高い数字だが、それはほとんどプレッシャーのない最終ラインで稼いだ数字だ。
吉田は89.1%(55本)、森重91.7%(60本)、長友85%(40本)、酒井87.3%(63本)、長谷部85.3%(83本)。