酒井高徳が明かす天皇杯Vの秘訣 神戸の勝負強さ支えるメンタリティー「今日特に思った」

安定した守備で神戸の天皇杯優勝に貢献した酒井高徳【写真:徳原隆元】
安定した守備で神戸の天皇杯優勝に貢献した酒井高徳【写真:徳原隆元】

酒井は右サイドを封殺した

 J1ヴィッセル神戸は11月23日、国立競技場で行われた第104回天皇杯の決勝戦でガンバ大阪を1-0で下し、5大会ぶり2回目の優勝を飾った。神戸の元日本代表DF酒井高徳は万全でないコンディションながら右サイドを封殺。そして「今日が良い試合だったかと言われれば全然だと思うけど、勝ったのは僕ら」と、昨季に続きタイトルを獲得したメンタリティーについて話した。

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 G大阪は前半からダニエル・ポヤトス監督が「倉田を中に入れて2対1を作り酒井高徳をブロックしつつ対策をした」と話した戦術で、MF倉田秋との連携でDF黒川圭介を攻撃参加させてきた。試合の最初で突破された場面はあったものの、その後は酒井がうまく倉田と黒川の2枚を見ながら対応して抑え込んだ。そして、後半には突破力のあるFWウェルトンを配置して攻撃を仕掛けてきたが、ギリギリの対応を強いられる場面はあったものの決壊させずに守り切った。

 酒井は「ちゃんとした対応をしようと思っていた。誰が来たとしても、しっかりしたポジションから対応するのが大事。特にこういう一発勝負は一瞬のスキが命取りだと思っていた。選手が代わって特徴は変わっても、セオリーを崩さなければ簡単にやられることはない」と、歴戦の守備能力を発揮した。

 決勝戦に向けては「色々と問題を抱えている個所もある」として、リーグ戦の試合も回避した。体調面でも咳や鼻づまり、息苦しさもあったという。それでも「今日もやりながら100%ではないと思いながらのプレーだったけど、だからこそ細かいポジショニングを大切にしていた」と、経験豊富なベテランらしく要所を締めた。吉田孝行監督も「危機察知能力と予測、プレスの出足という部分でもチームにとって欠かせない。今日の試合に出るにあたり、万全にはトレーニングを積めていなかったけれども、しっかりここに合わせてくるあたりはさすが」と称賛した。

 タイトルの懸かった決勝戦について「今日特に思ったのは、決勝には最高のパフォーマンスで最高のサッカーをしないと勝てないようなイメージがつきがちだけど、勝った方が勝ちだから、最後に勝てばいいんだ」という改めての気づきがあったという。そして、「今日が良い試合だったかと言われれば全然だと思うけど、勝ったのは僕ら。その違いを割り切ってできるかはすごく大きなメンタリティーの差があると思う。どんな状況でも勝てるサッカーを遂行する割り切りがタイトルを獲るチームには必要だと思う」と話した。

 昨季のリーグ優勝に続き2シーズン連続のタイトルを獲得し、今季も残り2試合でリーグ首位に立っている神戸。勝利にこだわるサッカーと言ってしまえばシンプルだが、それに向けてどれだけ全員が集中できるか。その1つの象徴とも言える酒井の話したメンタリティーが、神戸の勝負強さにつながっていると言えそうだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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