18歳逸材が「今、Jリーグでめちゃ活躍」 親友と切磋琢磨…負けじとブレイク狙う強豪校の有望株
帝京大可児MF明石望来が見据える先にある選手権での活躍
全国トップレベルの攻撃力を誇る帝京大可児には、相手の間隙をサイドや中央から果敢に突いてくるドリブラーの存在がある。
MF明石望来は身長こそ164センチと小柄だが、凄まじいアジリティーとボディーバランス、そして足もとの技術を持ち、トップ下や左サイドの位置から相手の懐やスペースに飛び込んで切り裂いていくドリブルを持つ。
東海地区の強豪クラブであるフェルボール愛知で過ごした中学時代から彼のドリブルは注目されていた。日本クラブユース選手権U-15ではFW鈴木大馳(サガン鳥栖)、DF松井イライジャ博登(ガンバ大阪ユース)らとともに不動のレギュラーとしてプレーし、ベスト8進出の原動力となった。
鳴り物入りで帝京大可児の門を叩くと、1年生からその才をフルに発揮した。人とボールが動くサッカーを志向するチームにおいて、彼のドリブルとタイミングの良いパスは攻撃のアクセントとなった。
「帝京大可児の3年間でスタイルとして細かいパスを意識するようになりましたし、3人目と距離感を縮めてやることが身につきました」
昨年まではトップ下としてゲームを作ったり、チャンスメイクをしたりと攻撃の中枢を担っていたが、今年は左サイドにコンバートをされ、サイドからのチャンスメイクと起点を作り出す役割を担っている。
「左サイドは中学の時もやっていたので違和感はありません」
こう口にするように絶妙なタイミングで縦に仕掛けたり、中央に入って行ってトップ下やセカンドストライカーのようにプレーするなど、チームの攻撃の潤滑油であり続ける明石には、意識するライバルがいる。
「大馳が今、Jリーグでめちゃくちゃ活躍をしていて本当に刺激になります」
前出したフェルボールの同級生である18歳鈴木は、地元が一緒で中学も一緒だったこともあり、1番の親友だと言う。鈴木は昨年、高2ながらルヴァンカップ第6節の横浜F・マリノス戦でプロデビューを果たし、初ゴールもマーク。ルヴァンカップにおける最年少得点記録(16歳7か月10日)を樹立。今年は8月のJ1第26節の浦和レッズ戦で初のベンチ入り、第33節のFC東京戦でリーグデビューを果たすと、今月3日の第35節のFC町田ゼルビア戦ではスタメン出場をしてプロ初ゴールをマーク。続く第36節の横浜FM戦でも2試合連続のスタメン出場を果たすなど、今最も注目されている10代プレーヤーだ。
181センチの本格的なストライカーに成長した鈴木の躍進は常に向上心を与えてくれる。
「中学時代は本当に個でゴリゴリ行く感じだったのですが、鳥栖に行って一回りも二回りも成長した。周りをうまく使いながらグッと前に出ることができるし、プレーに幅が広がっているなと思うし、見習っています」
プレーの引き出しの多さでは自信を持っているが、まだまだ上には上がいることを自覚して、自分自身のさらなる可能性を引き出すべく、努力に余念がない。選手権岐阜県予選決勝の中京戦ではヘディングで先制点を決めるなど、6年連続11回目の選手権出場に貢献した。
この決勝の前日が鈴木の誕生日だったこともあり、「おめでとう」とLINEを送ったエピソードを話してくれた明石は、「ありがとうとは返ってきましたが、『決勝、頑張れ』という言葉がなかったのが寂しいです」と笑いながらも、12月28日から開幕する選手権で、プロの世界で躍動をする親友に「逆に刺激を与えられるように」と活躍を心に固く誓っていた。
(FOOTBALL ZONE編集部)