中国ピッチ“異変”で「術中にハマった」 日本が受けた悪影響…不利を被ったのは誰?【見解】

選手たちからもピッチ縮小の影響について声が上がっていた【写真:ロイター】
選手たちからもピッチ縮小の影響について声が上がっていた【写真:ロイター】

【専門家の目|栗原勇蔵】中国戦のピッチが縮小サイズに…アウェーの洗礼が話題

 日本代表は11月19日に北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で中国代表と対戦し、3-1で勝利した。連続スタメンのFW小川航基が2ゴール、DF板倉滉が1ゴールと、すべてのゴールがサイドのクロスからヘディングという形で決まった一方、この試合ではピッチ幅が通常の試合よりも狭くされていた。元日本代表DF栗原勇蔵氏は、その影響を語った。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 試合が行われた厦門白鷺体育場のピッチは、もともと引いてあったサイドラインが消され、幅がそれぞれ左右1.5メートルほど縮小されていた。その理由について栗原氏は、「日本にスペースを大きく与えるほうがやりづらいし、中国は中を固めてという感じでしたから、ピッチのサイドが短ければ、すぐにボールへ行けると考えていたかもしれないですね。そこまでして戦ってくるということ。逆に言ったら中国の選手も、そのピッチに慣れていなかったりするとやりづらいのかなとか思ったりしますけど」と、見解を述べた。

 試合直後には日本代表MF久保建英や、MF中村敬斗が狭いピッチでの難しさを口にしていたが、栗原氏は「選手は気になりますよ」と言い、「ドリブラーとかは相手から離れてドリブルしていきたいと思うし、スペースがあったほうが絶対いいと思う。そういう意味では中国の術中にハマったかなと思います」と続けた。

 ピッチが狭くなったことで、中国は日本にプレスを掛け続けることができると考えたかもしれない。だが、距離が近くなった分、日本はサイドから上げるクロスの距離が近くなった。これがゴールにつながったのかもしれない。栗原氏は見解を述べる。

「結果論として、そうなったかもしれないですけど。でも、近いから攻撃側が合わせやすいわけでもないので、それはたまたまなのかなとは思います。でも、広ければ3点も4点も入ったかもしれないし、日本からすれば、どんなピッチだろうと勝利をもぎ取ったという意味では良かった」

 こうした“アウェーの洗礼”に対しては「あの手この手を使わないと、今の日本には勝てないのかなというところもあるし、それぐらいの存在になっている」と主張。「悪いことをしているわけじゃなくて、芝生をわざと切らずにボールのスピードを落とさせたりとか、水を撒かなかったりとか、水を撒いたりとか、そういうことは多々あります」と説いた。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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