“世紀の誤審”に涙「あの試合で勝っていたら」 22年で心境変化…スペイン代表の記憶【インタビュー】
日韓W杯で活躍のモリエンテス氏が来日、韓国戦の幻のゴールを振り返った
2002年に行われた日韓ワールドカップで主役のひとりとなったのが、スペイン代表のFWフェルナンド・モリエンテスだった。準々決勝の韓国戦では、延長前半に決勝ゴールを叩き込んだが、まさかの取り消し。世紀の誤審とも言われた判定に泣き、PK戦の末に敗れた。(取材協力=ダイヤモンドグループ/全3回の1回目)
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準々決勝までを韓国で戦ったため、日本の地を踏むことなく大会を去ったスペイン。あの悲劇から22年が経った今年11月27日、モリエンテス氏は「ダイヤモンドカップ」に出場するため、ニッパツ三ツ沢球技場のピッチに立つ。2010年に現役を引退し48歳を迎えた今、大会に合わせて当時を振り返ってもらった。
「2002年ワールドカップで敗退したあの試合について、コメントすることはありません。もちろん悔しい思いもありますし、思うことはありますが、時が経ちどれもが今ではいい思い出になっています。あの韓国との試合は今でも色々なところで話題になりますが、今となっては過去のものです。
2002年のワールドカップは本当にグラウンドレベル、グラウンド外のレベル、オーガナイズ、全てにおいて完璧でいい思い出しかありません。みんながプロフェッショナルでした。あれから時間が経ち、今回また日本でプレーできることは非常に嬉しいことです」
モリエンテス氏がこう語った一戦は、2002年6月22日に韓国・光州ワールドカップ競技場でキックオフの時を迎えた。0-0の後半3分、FKからMFルベン・バラハがネットを揺らすも、ファウルの判定でノーゴール。そして延長前半2分、右サイドを突破したホアキン・サンチェスのクロスにモリエンテスが合わせた。
ワールドカップではこの大会までゴールデンゴール方式が採用され、モリエンテスのヘディング弾がゴールに吸い込まれた瞬間、スペインの勝利かと思われた。しかし、ホアキンのクロスがゴールラインを割っていたと判定され取り消し。結局、スペインは0-0で迎えたPK戦に3-5で敗れ、ベスト4進出を逃した。
この大会では3ゴールを決め、キャリアの絶頂期を迎えていたモリエンテス氏。スペインも初優勝への期待感が高まっていただけに、大きな失望を味わった。「もちろんあの試合で勝っていたら、あの延長でのゴールが決まっていたら、と考えたこともありました」。しかし今では時間が解決してくれたという。
「サッカーでは色々なことがあります。審判も人ですしサッカーはあの試合だけじゃない。ただ人生が変わったかと言えばそうではなく、あのワールドカップ以降も現役でプレーを続けたし、あそこで勝てなかったことも悔しかったですが今では自分の人生の糧になっています」
11月27日に開催される「ダイヤモンドカップ」では、元ブラジル代表のカカ氏、元スペイン代表のダビド・シルバ氏、元フランス代表のロベール・ピレス氏ら往年の名選手たちと夢の共演を果たす。Jリーグのレジェンドたちを相手に、モリエンテス氏が正真正銘のゴールを決められるのか、目に焼き付けたい。
[プロフィール]
フェルナンド・モリエンテス/1976年4月5日生まれ、スペイン出身。アルバセテ―サラゴサ―レアル・マドリード―モナコ(ローン)―リバプール―バレンシア―マルセイユ。スペイン代表では国際Aマッチ通算47試合に出場し、27得点は歴代7位。現在は解説者やラ・リーガのアンバサダーとして活動している。
【試合情報】
「DIAMOND CUP OF LEGEND」
11月27日(水)ニッパツ三ツ沢球技場:19:00キックオフ
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(FOOTBALL ZONE編集部)