レッドブル買収に「ネガティブ何もない」 大宮女子監督が言及「大事に思ってくれている」
浦和Lに敗れた大宮Vの柳井監督が言及
WEリーグは11月17日に第9節の試合が行われ、“さいたまダービー”の三菱重工浦和レッズレディースと大宮アルディージャVENTUSの一戦は4-0で浦和の勝利となった。クラブ全体がオーストリアの大手飲料メーカー、レッドブルに買収された大宮は変化の渦中にあるが、柳井里奈監督は「クラブは本当に私たちを大事に思ってくれている」と話した。
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大宮は今季の開幕から勝利がない中で迎えた昨季女王との一戦だったが、前半から押し込まれ苦しい展開になり、前後半それぞれ2失点を喫して敗れた。柳井監督は「立ち上がりからレッズのパワーがあるところに対して自分たちも前に出ようというのがあったけど押し込まれてしまった」として、「セカンドボールなど、一歩の速さや初速、50メートルのスピードとは違うようなところでレッズに全て上回られていた」と話した。
男子トップチームが今季J3で優勝して来季のJ2昇格を決めた大宮は、8月にレッドブルへの株式譲渡が正式発表された。それにより来季に向け男子チームは「RB大宮アルディージャ」と名称変更されるが、すでにシーズンが始まっていた女子チームの呼称についてはまだ発表されていない。
また、強化の一環としては14日に女子チームのフットボール本部強化部長に山道守彦氏が就任することを発表した。山道氏は浦和で強化責任者を長く務め、その後はV・ファーレン長崎や京都サンガF.C.、FC岐阜で強化責任者を歴任してきた。
柳井監督はこうした現場を取り巻く環境の変化について「もちろんレッドブルになりましたし、色々なものが動いている中で、クラブは本当に私たちを大事に思ってくれている。現場は現場で集中して、今まで通りやってくれと言われている。そういう動きや変化に対して、まず私たちが積み上げているものをしっかり出していくことは継続していくこと。世の中の出ている情報で、みなさんが『こうなのかな』と思うこともあると思うけど、選手はピッチで集中してやってくれているし、そのことに対してネガティブなことは何もない」と話す。
そして、この日も試合を視察していた山道氏について「選手にも『自信を持ってやれ』と言っていただけるし、背中を押してもらっている。練習も毎回、見てくれる。ボールを拾って球出しもしてくれるくらいフランクだけど、私と個人的に話す時はすごく熱量を持って勝つためにという話もされる方。私たちも突き詰めていかないといけない。浦和で長くやられていたプロフェッショナルな部分を短い時間だが感じる。私自身も、そういった部分も教わりながらやらないといけないのかなと思う」と話した。
これで開幕8試合を終えて3分5敗の最下位と苦しんでいるチームだが、16歳になったばかりのDF佐藤百音をスタメン抜擢するなど打開しようという試みは続いている。柳井監督は「選手たちは日々いろいろな映像など、勝てていないから逃げ出したくなると思うけど、目を背けずにやっているから良くなっている部分はたくさんあると思う。ただ、プロとして勝てていないのは問題だけど、積み上げる作業は止めていない」と話した。
クラブ全体の体制変更や山道氏の就任もあり、大宮全体の変化の中で女子チームも好転させていくことできるのか注目される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)