打つよ、打つよで…「えげつないコース」 日本代表OB絶賛、点差以上の価値ある一振り【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】DF菅原由勢が決めたチーム4点目に見えた意義
日本代表は11月15日、2026年北中米共催ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の敵地インドネシア戦に臨み、4-0の勝利を収めた。角度のないところからDF菅原由勢が決めたチームの4点目について、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「こういうプレーをすることによって、次に使おうという発想にもなる」と、アピールに成功する一撃だったと評価した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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日本代表はアジア最終予選では攻撃的な3バックという表現で、左右のウイングバックにMF三笘薫らのアタッカー色の強い選手を起用してきた。4バックではサイドバックが主戦場になる菅原は出場機会を失っていたが、この日は3-0のリードする展開に右ウイングバックでの途中出場。後半24分には右サイドからペナルティーエリア奥深くまで切り込み、角度のない位置からGKの動きを見極めての右足シュートを決めた。
栗原氏はこのシュート自体は「えげつないコースだし、これだけフリーの時間があってこの距離だったら、菅原レベルというか、この代表に入っているレベルの選手だったら入れられる」としたが、「相手が詰めてこなかったからこそ、こういう選択肢も出てきた。本来だったらもっと中から相手がカバーに来るとは思うけど、あそこまでフリーで『打ちますよ、打ちますよ』と、なかなかああいうことはないと思う。でも、そういう状況をしっかりと見極めて、ベストな選択をできたのは良かった」と、最終的にシュートに至った判断を称賛した。
一方、それ以上に菅原の現状に対して「代表で定着はしたけど、定位置を失いつつあったなかで、今日は3点入ってオープンになっていた。こういう展開でも途中から出てきて、相手がもうやる気がなくなるようなダメ押しを取るのは素晴らしい」として、「こういうプレーをすることによって次に使おうという発想にもなると思うので、大事なプレーだったのではないか」と、今後につながるゴールになったと評価した。
アタッカー色の強い選手たちが起用されているウイングバックだが、その争いにハッキリと割って入るアピールになった。今後、森保一監督が総合的にどのような判断をするのかが注目される。