日本代表のパスワーク弾「ゲームの世界」 OBが舌を巻く一撃「なかなかない」【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】日本の先制弾を絶賛
日本代表は11月15日に2026年北中米共催ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の敵地インドネシア戦に臨み、4-0の勝利を収めた。相手オウンゴールによる先制点の場面について、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「ゲームの世界だとこういうプレーもできると思うけど」と、鮮やかなパスワークを称賛した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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日本は前半35分、MF遠藤航がキープした横を攻撃参加したDF町田浩樹に渡ると、中央へのパスをMF守田英正がつないでMF鎌田大地がドリブル突破。相手GKの前で鎌田が出したラストパスにFW小川航基が突っ込み、相手のオウンゴールを誘発して先制に成功した。
栗原氏はここでの守田のプレーに着目し、「このギリギリの一瞬でパスにつなげる意図がある。だから、あれは凄くうまいプレー。こういうプレーが少しでもずれていたら、点につながらない。鎌田がタッチしやすいところで、敵の詰めた足がギリギリ届かないで置いていかれちゃうところ」と、絶妙なパスだったと話した。
その前から正確なパスワークがあってこそのゴールだったこともあり、栗原氏は「いいプレーが3つくらい続いてゴールになった。精度が高いプレーだと感じる。こういう風になると、ディフェンスは後手後手になってついていけない。その精度は、日本は最近すごく上がっていると思うので、素晴らしいゴールだと感じる。オウンゴールだけど、触らなくても小川が楽に詰められたので、完璧に崩したのではないか」と称賛した。
そして「ゲームの世界だとこういうプレーもできると思うけど、これがピッチ上になると、寸分の狂いもなくいいプレーが3つ、4つ続くことはなかなかない」と、ハイレベルなプレーが実際のピッチで連続したことの価値を話していた。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。