「代表は代表で求められていることがある」 OBが考察、古橋の”1年ぶり復帰”の狙いとは?【見解】

セルティックでゴールを量産している古橋亨梧【写真:Getty Images】
セルティックでゴールを量産している古橋亨梧【写真:Getty Images】

【専門家の目|栗原勇蔵】約1年ぶりに代表復帰となった古橋は「あとは森保さんを納得させられるか」

 日本代表は11月にインドネシア代表、中国代表と対戦する北中米共催ワールドカップ(W杯)のアジア最終予選に、セルティックのFW古橋亨梧を招集した。代表のピッチから約1年間遠ざかっていたストライカーについて、元日本代表DF栗原勇蔵氏は実力に疑問符はないとし「あとは森保さんを納得させることができるか」と話した。

 古橋はヴィッセル神戸から2021年夏にスコットランド1部セルティックに移籍。昨季まで3シーズン連続で2桁ゴールを記録し、2022-2023シーズンはリーグ得点王にも輝いた。しかし、代表では21試合の出場で5得点。欧州移籍後に限ると2得点しかあげられておらず、最後の出場は昨年10月に遡る。6月に始まったアジア最終予選では初めての招集になった。

 古橋の招集にはオランダ1部フェイエノールトのFW上田綺世が負傷離脱したことも関係すると見られているが、栗原氏は「はっきり言って、上田とはタイプが全く違うけど、たぶん代わりだとは思う。細かいことは本人たち、現場しか分からないが、代表に来た時に求められるものがクラブと違って、そこがちょっとまだフィットしない感じなのかなと見ていた。古橋に期待しているということは、今回の選出で改めて感じたところ」と話した。

 また、森保一監督の狙いについて「(古橋を)使って結果を出してもらって、1つまた戦力として枚数を増やしたいという狙いはあるのかな、と。タイプが違うので、ああいうタイプもいれば、使い勝手もいいかもしれない。今はレベルが高いので、色々な選手を選びたいけど、枠があるから選べないという事情もあると思うので、こういう時にチャンスだと思って呼んだと思う」と推察した。

 古橋の実力について栗原氏は「能力、実績は間違いないものを持っている」として「代表は代表で求められるものがあるので、試合中にシステムを変えることはあっても、この選手がいるからこれに変えよう、とはしないと思う。代表で求められているものを改めて古橋が理解して、それを試合で出せるかのテストみたいなところもあるだろう。この2試合で森保さんを納得させることができるのかを見たい」と期待を込めつつ話した。

 起用法については、これまで上田との途中交代でピッチに入ることも多かったFW小川航基が優先されるのではないか、とも予想にした栗原氏だが、欧州でのゴール量産ぶりを代表でも古橋が発揮できれば、日本代表の戦力アップは間違いないだけに、注目のポイントになる。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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