欧州で9戦4発も…25歳FWが代表選外の訳 OBが分析、森保監督らは「抜け目なく見ている」

キールでプレーする町野修斗【写真:Getty Images】
キールでプレーする町野修斗【写真:Getty Images】

【専門家の目|栗原勇蔵】森保監督は「抜け目なく見ている」

 日本代表は11月にインドネシア代表、中国代表と対戦する北中米共催ワールドカップのアジア最終予選に、スコットランド1部セルティックのFW古橋亨梧を招集した。一方で待望論もあるドイツ1部ホルシュタイン・キールのFW町野脩斗は今回も招集されず。代表メンバーの人選について、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「森保さんとか協会の人は、抜け目なく見ている」と見解を語った。

 古橋はセルティックで昨季まで3シーズン連続で2桁ゴールを記録し、22-23シーズンはリーグ得点王にも輝いた。ただ、代表ではまだ5得点で、出場は昨年10月が最後になっている。一方の町野は昨夏にドイツに移籍してチームの1部昇格に貢献して、今季は9試合で4ゴールを奪っている。

 古橋招集の背景にはオランダ1部フェイエノールトでプレーするFW上田綺世の負傷離脱があるとみられるだけに、栗原氏は「どちらかと言えば、上田に近いとは言わないですけど、似たような役割をするのだったら町野の可能性はあった」と話す一方で、ここ最近の状況がやや下降線にあると言う。

 栗原氏は「(町野は)ここ最近スタメンで出ていないというのがちょっとあるのかな、と。少し前まで、町野が選ばれるんじゃないかという時は試合に出ていて、けっこう調子も良かったので、アリなのでは、と思いました。ドイツ1部でもスタメンでないと、今の日本代表だと選ばれにくいのかな、と。ファンもいっぱい見ているとは思いますが、森保さんとか協会の人は抜け目なく見ている。ファンの人たちが気付いていることは、確実に気付いた中で決めている」と、森保一監督を筆頭にしたコーチングスタッフはきめ細く、選手の状態や状況をチェックしていると指摘する。

「あとはコンディションとか、そういう細かいところは、チームとか協会の人たちしか知らない情報もある。一概に、今回は古橋を選んだから古橋の方が上だとは言えない。序列というよりも今回どこか痛めている、だとか、そういう細かいこともけっこうある。あまり1回や2回で変わることを序列と言わない方がいいのかなと思う」。必ずしも全てが明らかにならない部分がある可能性にも触れた。

 前回のカタールW杯で町野はギリギリのところでメンバー入りを果たすも、出場機会がなかった。ポテンシャルの高さは期待を集めるが、現在の日本代表では、上田との途中交代でピッチに入ることも多かったFW小川航基の存在もあって、競争が激しいというのも現実だと言えそうだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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