19歳日本人FWが欧州で衝撃弾「狙っていたら凄い」 代表OBも絶賛「代表も十分あり得る」【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】NECナイメヘン塩貝健人のゴールを称賛
オランダ1部NECナイメヘンに所属のFW塩貝健人は、10月29日オランダ・カップ1回戦PECズヴォレ戦で決勝ゴールを決めた。力強い突破から意表を突いてシュートを決めた19歳について、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「代表も十分あり得る」と話した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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NECに所属する日本代表FW小川航基のゴールもあり2-2の同点で迎えた延長前半13分、自陣からのロングボールを味方がつないだところに反応した塩貝は右サイドのスペースにボールを持ち出して一気に加速。ペナルティーエリアの角とゴールラインのほぼ中間地点で角度がそれほどない位置から、クロスを上げるような動作でそのままニアサイドを打ち抜いた。
このゴールについて栗原氏は「塩貝らしいゴールというか、味方にしたらそれ入れちゃうか、入れてくれるかというようなゴール。普通はクロスなのかなというところからニアを狙うというか、これを狙っていたら結構凄いなと思う。あの一瞬であの発想はなかなか出ない。多分、中に出す感じでやっているからこそ、キーパーもニアを空けてしまう。ギリギリでプレーを変えてシュートを打ったのか本人しか分からないけど、味方としたらああいう風に前向いて突破してくれて、個人で完結してくれたらすごく楽」と話した。
塩貝は国学院久我山高校から2023年4月に慶應義塾大学に進学。今年に入って横浜F・マリノスへの加入内定とJFA(日本サッカー協会)特別指定登録を受けJ1でも7試合に出場していたが、夏にNECへの加入が決まっていた。栗原氏は「日本にいた時から、ああいうプレーできるなという感じはした」とも話す。
まだ19歳のストライカーが見せる将来性について「体も強いし、ターンしてからのスピードも馬力もあって、どっちかと言ったら細谷(真大)に似てるのかなというタイプ。ただ、さらに上にいく可能性がある選手かなと。代表も十分あり得ると思う。大学生の時点であれだけできるわけだから、順調に成長していけばもう手をつけられない選手になってもおかしくない」と、栗原氏は話し、さらなる躍進の可能性を指摘していた。
(FOOTBALL ZONE編集部)
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。