元日本代表も驚き…衝撃の直接CK弾「ブーメラン的な弾道」 伝説的キッカー彷彿の一撃【見解】
【専門家の目|太田宏介】町田MF相馬勇紀のコーナーキック弾に注目
FC町田ゼルビアのMF相馬勇紀がコーナーキック(CK)から直接ゴールを決めた。11月9日に行われたJ1リーグ第36節、FC東京戦(3-0)で披露した一撃について、クラブOBで現役時代に多彩なキックを武器とした元日本代表DF太田宏介氏も賞賛している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也)
◇ ◇ ◇
町田が2点リードで迎えた後半34分。相馬は左のCKのキッカーを務めていたなかで、巻いたカーブでゴールニアへ際どいボールを放つ。FC東京GK野澤大志ブランドンは掻き出すことができずに、そのままゴールインした。太田氏も「彼の話では全然(直接ゴールは)狙っていなかったらしいです」と明かしつつ、そのキックの特徴を解説している。
「ボールの弾道としては非常に高く、落差のあるボールでした。なおかつそこにスピードとあの回転が加わっています。野球でいうシュートとかではなくて、そこにちょっとフォークの要素も入ったブーメラン的な弾道だったと思います。CKが直接入るケースは、ファーサイドが多いんですけど、ニアゾーンに落とす球は非常に対応しにくいはずです。GKの野澤選手もバーの上に弾こうと思った判断だったと感じますが、思った以上に曲がって落ちてきたので、結局ゴールを許す形になったのだと思います」
名古屋グランパス時代に、太田氏は相馬とともにプレーしている。当時もフリーキックの練習を一緒にやっていたと語る太田氏は「直接でも蹴ることができるキッカーの素質を持っていると感じていました。今は町田でサイドからクロスを上げる場面が多いですけど、もっとゴール正面のフリーキック(FK)のような場面で蹴ってもいいなとは個人的に思っています」と、相馬のキックの質に太鼓判を押す。
「あの弾道はもう、相馬選手か、ジュニーニョ・ペルナンブカーノくらいにしか蹴れないんじゃないですかね」
元ブラジル代表でキックの名手ジュニーニョ・ペルナンブカーノの名前も出しつつ、相馬のゴールを太田氏も喜んでいた。