正当なノーハンド判定も…「切り替えられなかった」 試合後の不満に垣間見えた精神的ダメージ

広島のミヒャエル・スキッベ監督【写真:徳原隆元】
広島のミヒャエル・スキッベ監督【写真:徳原隆元】

広島のスキッベ監督が抗議もルール上は問題なし

 サンフレッチェ広島は11月10日のJ1リーグ第36節浦和レッズ戦で0-3の敗戦を喫し、優勝争いの中で痛い星を落とした。これで広島は直近リーグ3連敗。ミヒャエル・スキッベ監督は、前半終了間際に与えた先制点の場面を悔やみ、それを引きずってしまったことが2点目につながったと話した。

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 広島は11月7日にAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)の戦いでオーストラリアへ遠征し、シドニーFCと対戦してから中2日になった。オーストラリアへの移動後は広島に戻らず、千葉県内で調整して浦和戦に備えて臨んだ。前半の立ち上がりからは良いゲームを展開し、指揮官も「ファンタスティックで素晴らしいゲームをしたと思う」としたが、「チャンスを作ることができたが、ここ数週間と同様にゴールにつなげることができなかった」と決定力を欠いた面があったことも話した。

 そして前半終了間際、浦和は中盤右サイドでMF渡邊凌磨が浮き球をコントロールした際に、渡邊がトラップしたボールが腕にも当たったが、そのままプレーは流れてMF関根貴大を経由してFW松尾佑介に通ったボールからゴールが生まれた。スキッベ監督はタッチライン際で猛抗議し、試合後会見でも「1失点目、前半終了間際のものは目の前でハンドがあったにもかかわらず流されて失点してしまった」と話した。

 現行のルールでは、ハンドにならない場合として「競技者自身の頭または身体(足を含む)から直接触れる」という項目があり、それに加えて渡邊がボールに対して腕を動かしてコントロールするようなアクションもなく偶発的な接触だったため、反則にはならない。もし渡邊の手や腕に当たったボールがそのままゴールに入るか、その直後のボールを渡邊自身がシュートしたような場合は得点を取り消されるが、今回はその条件にも該当しなかった。

 スキッベ監督が目の前で渡邊の腕にボールが当たる場面がクリアに見えるアングルにいただけに、気の毒なシーンになってしまった。そして、後半の立ち上がりは逆に浦和の猛攻を受けて2点目を失い、最後はカウンターで3点差にされた。指揮官は「後半の立ち上がりに立ち直るのに時間がかかってしまった。それ(1失点目)を後半の頭に切り替えられなかったと思う」と、不運な失点が精神的なダメージになったことも話していた。

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