連覇へ前進でも落胆…神戸、痛恨オウンゴールの理由 選手、監督が口を揃えた「徹底」
山口蛍「中に入る選手もいれば、サイドで時間を使おうと言っている声も」
J1首位のヴィッセル神戸は11月10日、第36節で東京ヴェルディとアウェーで対戦し、1-1の引き分けに終わった。1点リードで迎えた後半アディショナルタイムに痛恨のオウンゴール。優勝争いを繰り広げる2位の広島が敗れたことで勝ち点差は3に広がったが、肩を落とした選手たちは同じ2文字を繰り返した。
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前半7分、コーナーキックからのこぼれ球をDF山川哲史が胸トラップから豪快にボレー。幸先よく先制すると、前半は相手にうまくボールを持たせ、集中した守備でチャンスを作らせなかった。しかし、終了間際に左サイドからクロスを許す。これがDFマテウス・トゥーレルの足に当たりゴールに吸い込まれた。
もし足で触っていなければ、相手FWが決めていたかもしれないギリギリの攻防。それでも、トゥーレルは「守備で踏ん張っていたところで、本当にミスしてはいけないところで、僕のミスでああいう失点で同点という結果になってしまったことは非常に責任を感じていますし、反省しています」と肩を落とした。
一方、怪我からの復帰戦となったMF山口蛍は、「そこ(オウンゴール)に行くまでの過程で、じゃあどうやって時間を使うのか、1-0で勝っている中でどうやって進めていくのかは、もっと締めないといけなかった場面は多々あったと思う」と指摘。チームとして「それを徹底できていなかった」と悔しがった。
「残り時間が少ない中で、もうちょっとサイドを使って押し込んでいかないといけなかった。フリーキックの場面でも、中に入る選手もいれば、サイドで時間を使おうと言っているベンチの声もあった。そこは徹底できていなかった」
また、吉田孝行監督も試合後の会見で「自分も含めてもっと徹底しないといけない。ゲームの終わらせ方にしても、そのプレーだけじゃなく、もっと前からのプレーが原因だったと思う」と失点に言及。「そこの部分をもっと自分も徹底しないといけないし、選手にもさせないといけないと思う」と繰り返した。
試合後の取材に応じた選手たちには、広島が敗戦濃厚だったことは伝わっていた。それでも、FW武藤嘉紀は「大きな勝ち点1だとは思っていない。勝ち点2を取りこぼした」とこぼした。誰もが浮足立つことなく、失点の原因を共通認識として持っている。惜しくも勝ちは逃したが、チームとしての成熟を感じた。