急カーブ衝撃CK弾の背景に“伏線回収” OG疑惑も「オレでした」…町田MFが施した微調整
CKで相馬が直接ゴールネットを揺らした
FC町田ゼルビアは11月9日に国立競技場でFC東京と対戦した。今シーズン、J1に昇格して旋風を巻き起こして一時期は2位に勝ち点差「5」をつける時期もあったチームだが、終盤戦で苦戦する。それでもリーグ第36節の勝利でヴィッセル神戸とサンフレッチェ広島にプレッシャーをかけることに成功。貴重な1点をセットプレーから挙げたFW相馬勇紀の存在も大きかった。
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この試合、3点目を挙げたのは相馬だった。今季途中に加入した相馬は、シーズン途中でイングランド2部ブリストル・シティへ移籍したMF平河悠が着けていた背番号7を引き継いだが、サイドアタッカーとしてもリーグ戦18試合出場2得点の平河の後釜として大きな期待を集めていた。
ここまで負傷もありリーグ8戦に出場していた相馬だが、この試合までゴールはなし。それでも前半15分に先制点を挙げたMF白崎凌兵の折り返しから決まったFWオ・セフンの後半4分のチーム2点目のシーンでは、左サイドからクロスを上げてフィニッシュへの起点となったように、チームの攻撃を彩っていた。
そんな相馬に待望の移籍後初ゴールが決まったのは、後半34分だった。左サイドからのコーナーキック(CK)で急激に曲がるボールをニアポスト際に送る。ここ数試合、毎試合のようにビッグセーブを見せていたFC東京GK野澤大志ブランドンが「もう一度CKに逃げようとした」が対応しきれずに、ボールはゴールに決まった。
記録上、オウンゴールになる可能性もあるゴールだったが、相馬は公式記録を試合直後に確認したという。試合後、報道陣が「後でオウンゴールか、相馬選手のゴールかは確認しますが……」と言うと、「いや公式記録、オレ(のゴール)でした。もう確認しましたよ」と、胸を張った。
どのような意図であのボールを蹴ったかについては「みんなに『オウンゴールじゃね?』とイジられましたが、本当に角に行っていたから、野澤選手が弾いても入っちゃうという感じで、(実際に)入ったのかなと思います。コースもスピードも、ボールは良かったと思います」と言い、さらにその前のCKに伏線があったと明かした。
「1つ前のキックで、(キム・)ミンギュがポストの(左)外側にシュートしたシーンがあって。あれは若干、(僕のボールが)短くてポストの手前側でシュートしているから、そこに行っているのが分かったので、もう少し飛距離を伸ばそうという微調整をした結果です。正直、直接自分が(シュートを)狙って、狙い通りというわけではないのですが、あそこで誰かが触って決めるというのをイメージして蹴ったボールに、誰も触れなかったけれど入ったという感じで、良かったです」
繊細な修正ができるだけ、状態も良くなっているということだろう。移籍後初ゴールを挙げた相馬だが、チームにとっても国立競技場での初勝利。試合前には「自分もアップ前の一言を言うのを担当させてもらったのですが、『今まで勝てなかったから、今日の試合が0-1で始まるわけじゃない。試合は0-0で始まって、これだけ良い準備をしてきたから、あとは戦うだけ』と言わせてもらったんですけど、本当に今日はみんなが躍動していたというか、良いイメージで強気に行ったことがハマったと思います」と言い、最後にポロっと「オレ、スタメン初勝利っす。嬉しいっす」と笑った。
(河合 拓 / Taku Kawai)