長谷部の主将像を壊す! 新キャプテン吉田の決意「ハセさんみたいに振る舞う必要はない」
代表戦2試合連続で主将が濃厚な吉田、普段通りの姿勢を貫くことを強調
日本代表の新キャプテンを任された男は、偉大な前任者とは違うスタイルを築きつつもチームを向上させようとしている。28日に行われるロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の本拠地タイ戦に向けて、日本代表は試合前日トレーニングに臨んだ。DF吉田麻也(サウサンプトン)は2戦連続で主将を務めることが濃厚だが、対戦相手によって戦い方を変える柔軟性を意識して戦おうとしている。
今回の連戦ではUAE戦前にMF長谷部誠(フランクフルト)が膝の負傷で代表から離脱。絶対的な主将が不在となる非常事態となったが、UAE戦ではキャプテンマークを引き継いだ吉田が最終ラインからチームを引き締め、個人としても出色のパフォーマンスでUAEの攻撃を冷静にはね返して無失点。サウサンプトンでレギュラーどころか主将を任されるまでになった成長ぶりを見せつけた。
キャプテンを任されてからの心境の変化について問われた吉田は、「アプローチ自体は全く変えるつもりはないですし、毎試合100%で臨めるようなアプローチをしてるので、それを繰り返すだけなんで」と普段通りの姿勢を貫くことを強調。その一方で、いわば“長谷部の主将像”を一度壊し、自分らしい主将像を新たに築き上げようという決意に満ちている。吉田は次のように説明した。
「まあ、僕は“長谷部誠”にはなれないし、僕ができるリードの仕方があると思っている。別に無理してハセさんみたいに振る舞う必要はないと思いますし、自分が信じる道、正しいと思うリーダーシップを出していければいいと思ってます」
それと同時に吉田はUAE戦について「理想と現実のバランスが上手く重なったかな」と、相手にボールを渡す時間帯があっても割り切って戦えたと手応えをつかんでいる。それと同時に「前回より理想に近づけられると思うので、そのなかでハイパフォーマンスを出せるかどうかが選手にとって非常に大事になってくる」と、タイ戦では攻め勝つことを意識した。“キャプテン吉田”の下で、チームは新たな段階を迎えようとしている。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images