高3年逸材、海外トップレベルに肉薄「時速34km」 新潟が輩出した190cmプロ内定の大物

トップチーム内定が決まっている内山翔太【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
トップチーム内定が決まっている内山翔太【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

来季トップチーム入りが内定、新潟U-18のGK内山翔太の魅力

 190センチのサイズを生かしたハイボールの安定感、ダイナミックなセービング。来季トップチーム入りが内定しているアルビレックス新潟U-18のGK内山翔太の魅力は、圧倒的なサイズに加え、しなやかかつスピーディーなステップワークからのジャンプ力と空中での対応だ。そのプレーぶりに思わず目を奪われる。

「足の速さとバネには自信があります」

 こう語る彼の言葉にはしっかりとした裏付けがあった。U-18日本代表の一員として今年8月のSBSカップ(静岡)と10月のスペイン遠征にも参加をしている内山は、代表活動中の測定で驚異的な数字を叩き出していた。

「最高速度が時速34kmで、立ち幅跳びは3mありました」

 この2つはとてつもない数字だ。前者はスプリントタイムから計算した数字で、海外のトップレベルの最高速度が37kmあたりと考えると、GKにおいては非常に高い数字であることが分かる。さらに後者も昨年の高校3年生の全国平均が約2m27cmであることを考えると高い数値だ。

 ずば抜けた身体能力を持っているからこそ、彼の動きにはキレがあり、ハイボール処理やセービングの際の最高到達点が抜きん出ている。背が高くてバネがあるGKとして、彼はトップ昇格を果たし、来季からチーム内でも激戦区の1つであるGK陣の中に飛び込んでいく。

「トップには小島亨介選手、阿部航斗選手という強烈な個性を持つ2人がいます。小島選手は足もとの技術がずば抜けていて、僕はそこが足りていないと思うので、積極的に聞いたり、見たりして伸ばしていきたいです。阿部選手はセービングの質が非常に高くて、僕はセービングには自信があるからこそ、もっと阿部選手から学んで質を高めていきたいと思っています」

 ハイレベルかつ激しいレギュラー争いを繰り広げる2人の壁を越えない限り、トップでの出番は回ってこない。さらにGKにとって大切なものを31歳のベテランGK吉満大介から学んだという。

「GKにとって一番大事なのは準備を怠らないこと。1つしかないポジションだからこそ、どんな時も自分のプレーを出すための準備をしておかないといけない」

 今年6月5日のルヴァンカッププレーオフラウンド第1戦のV・ファーレン長崎戦において、試合直前にスタメン予定だった阿部が選手登録上のミスによりベンチ入りすらできなくなり、ベンチだった吉満が急遽スタメン出場することになったのだ。

「吉満選手はなかなか起きない事態が起きたなかでいきなり試合に出たにも関わらず、90分間冷静にプレーしてチームを安定させて2-1の勝利に貢献した。あのメンタリティーは本当に凄いと思ったし、日頃から常に全力で前向きに準備をしてきたからこそだと感じました。昇格できたことは嬉しいですが、入って終わりではなく、そこからレギュラー、日本代表を目指したいと思っているからこそ、本当に刺激と学びを受けました。体重をもっと増やして、技術を伸ばして、準備を怠らないメンタリティーを磨いていきたい」

 先輩たちが示すプロとしてのあり方。内山はそれを真摯に受け止めて、自分の短所を埋めながら、長所を磨いていく。

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