J敗戦後に響いた「プロとしてあり得ない」…ハッとなった味方の一喝、22歳飛躍の分岐点
湘南DF畑大雅がFC東京戦で躍動、ゴール関与の背景
湘南ベルマーレは11月3日のJ1第35節でFC東京と対戦し、2-0の勝利を収めた。この試合、2点目を決めたのはDF畑大雅だった。まるでアタッカーのようにエリア内でDFと対峙したところから、相手をかわしてシュートを決めた22歳は、攻撃面への手応えを口にした。
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湘南は後半4分、FC東京の最前線に入ったボールを奪うと、自陣からカウンターに転じる。FW鈴木章人のポストプレーから、FW福田翔生にボールが預けられると、さらに左を上がっていった畑にボールが入る。畑はペナルティーエリアの左側からボールを持ち込むと、DF中村帆高と対峙して一度は完全に止まる。そこでボールを持ち、一度縦に仕掛けようとしてから中にカットイン。右足を振り抜くとボールはゴール右隅に決まった。
第32節の鹿島アントラーズ戦でゴールを決めた際にも見せたNFL(米アメリカンフットボールリーグ)ジャスティン・ジェファーソンの「グリディ・ダンス」で自身のゴールを祝った畑は、「ゴール前に入っていく回数が去年よりは増えていますし、そのなかでシュートという選択肢を持てるようになっています」と言い、「湘南に入ってからずっと目に見える結果を出せなかった。(前節のアシストに続き)こうやって結果を出せるようになって、すごく嬉しいですし、もっともっと伸ばせるようにしたいです」と、喜んだ。
ゴールシーンについては「最近シュート練習をしているのはあると思います。ちょっとDFに当たりましたが、思い切りよく打てたのが良かったと思います。最初はちょっと縦に外してすぐクロスを入れようかと思ったのですが、相手に嫌な間合いに立たれたので『無理だな』と思いました。そこでFWのアクションを見ようと思って切り替えたら、ちょっとズレて中のほうが空きました。タイミングを探って、シュートを打てるタイミングが『あ、来た!』っていう感じでした。ちょっと焦っていましたけど反面、落ち着いて動きも見えていました」と振り返った。ストライカーみたいじゃないですかと指摘されると、「中学生までストライカーをやっていたので」と笑った。
負傷離脱する期間もあったが、ここにきて得点に絡めている理由についてはルヴァンカップでJ2のブラウブリッツ秋田に敗れた試合後のミーティングを挙げた。
「気持ちの部分で変わったことが大きい。自信を持つとか、常に前への選択肢をチョイスするとか、そういう気持ちの変化が前向きなプレーを増やしていると思います。気持ちの変化があったのは、ルヴァン杯で秋田(1-2)に負けたあとのミーティングです。ある選手から『自信を持てない』というような話が出た時に、(鈴木)雄斗くんから『プロとしてあり得ない。サポーターの人たちもそんな姿を見に来ているわけじゃない』という話がありました。自信がないなんてピッチに立っている以上、無責任だなと僕も思うようになって、そこで強い気持ちを持って試合に臨もうと思った直後のリーグ戦の札幌戦で得点を挙げることができて、それが大きなターニングポイントになりました」
ここにきてチームは好調だが、「いつもそう(終盤に調子がいい)ですよね。(今季は)いつも以上に勝っていますけど。最初からやりたいんですけどね」と苦笑する。湘南は主力をとどめておくことが難しく、毎シーズン、チームを作り直して終盤に完成していくことが要因とも考えられるが「それを言い訳にしたら上にはいけない。『育成型』みたいに言われますけど、上を狙う気でやっていますし、今回も一桁順位が見えてくるところまで来たので、どんどん上にいくことが大事だと思います」と、畑は自身もチームも、このいい流れを継続することを誓った。