高校2年で確立、“独特なPK”が「ハマった」 決定率の向上を実感「気付いたらあんな風に」
新潟FW小見洋太はPK弾含む2得点
アルビレックス新潟は11月2日にルヴァンカップの決勝で、クラブ史上初の主要タイトル獲得を目指したものの3-3からのPK戦で名古屋グランパスに敗れた。途中出場から2ゴールを決めたFW小見洋太は、特徴的なPKは高校2年生の冬に確立されたものだと話した。
新潟は前半に2失点する苦しい試合展開になったが、後半26分にMF谷口海斗のゴールで1点を返した。その直後に小見を含めた2人を入れて交代枠を使い切る勝負に出ると後半アディショナルタイム、ペナルティーエリア内で小見が名古屋MF中山克広との接触プレーで倒れる。当初はノーファウルの判定もビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が介入し、オンフィールドレビューの末に判定がPKに変更。新潟が千載一遇の同点チャンスを得た。
この判定変更の間に小見は「自分の中では引っ掛けられた、当たった感覚があったのでPKだろうと思っていた。俺が蹴るかという感じで、キックのことを考えていた」と、PKに集中していた。そして、キックのポジションに立つと時間をかけゆっくりと助走し、小刻みなステップを踏んでゴール右に蹴り込んだ。
延長前半に再びビハインドを背負った新潟だが、延長後半にFW長倉幹樹のスルーパスを受けた小見がGKミッチェル・ランゲラックとの1対1を決めて同点ゴール。途中出場からの2得点で決着はPK戦に持ち越された。そしてPK戦の5人目に登場した小見は、再び特徴的な助走から冷静に決めた。PK戦のスコアは4-5で及ばずに敗れたが、この決勝戦で非常に印象的な活躍をした1人だった。
この独特なPKは、全国高校サッカー選手権大会で昌平高校(埼玉)の一員として出場した時にも話題になっていた。このルーティンについて小見は「(この蹴り方にしたのは)高校2年の冬ごろ。それまで蹴り方を定めていなくて外すことが多かった。蹴り方を決めようとなって、気付いたらあんな風になっていた。あのゆっくりなことについて理由は特にないけど、自分の中ではハマった」と話す。そして、今では「PKに自信がある」とコメントするに至った。
小見はこの決勝戦を「ここまで大きな舞台はこれまで経験したことがなかった。これだけ多くの新潟サポーターが駆けつけてくれて最高の雰囲気でプレーできた。自分のサッカー人生で最高の楽しかった日になった」と振り返る。だからこその悔しさを感じたとして、「またこの舞台に戻ってきたい」と話していた。