驚いた日本人の特徴「韓国の人は直接的に伝える」 来日10年目、Jリーガーが感じた変化【インタビュー】
キム・ミンテが日本で実感「世界に行きたいという願望を持った選手が増えている」
湘南ベルマーレの韓国人DFキム・ミンテは、2024年シーズンを迎えJリーグ10年目に突入している。勉学に励んだ1年目、仲間や家族と接するなかで日本語も堪能に話せるようになり、クラブではキャプテンも任される身となった。そんなキム・ミンテも、当初は日本の文化について、母国との違いに衝撃を受けていたようだ。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也)
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21歳の時にベガルタ仙台へ加入し、Jリーグに挑戦。日本に来てまず驚いたのは「街や道が全部綺麗すぎる」という点だ。「ゴミなどがほぼ落ちていないですし、綺麗だからこそ、ゴミを捨てたときにすごく目立つ。罪悪感も出て、道端にポイ捨てすることなどできなくなりますよね。それは凄く日本の良い部分だなと思っています」と清掃された街の様子や日本人の規律の正しさに感嘆している。
一方で「誤解してほしくないんですけど……」と前置きしつつ、「日本人と接していると感じますが、(わざわざ)伝えなくてもいいことは言わず、伝えなければならないことがあればちゃんと礼儀正しく言葉にする印象です」と実感。「韓国の人は、思っていることを直接的に伝えてしまったりするので、(日本人のように)言葉に工夫をして伝えることが苦手なんです」と母国との違いを教えてくれた。
「僕の性格的にも直接思っていることをストレートに伝えることが多いです。正直っていういいところでもあるのですが、マイナスなこともたくさんあります。日本人の特徴に触れて勉強にもなりましたし、これまでの経験上、(コミュニケーションの部分で)ちょっと苦労した部分もありました」
だがそうした日本人の性格にも、変化が起こっているのではないかとキム・ミンテは語る。
「Jリーグにも海外に行く選手、そこから戻ってくる選手が増えてきましたよね。個を大事にする文化も根付いています。チームも大事ですけど、個も伸ばして世界に行きたいという願望を持った選手が増えていると思うので、そういう意味で自分を出そうとしている日本人選手が多くなっているのではないかなと思います」
Jリーグから飛躍し、日本代表にも上り詰めている選手は何人もいる。最近では湘南からサンフレッチェ広島を挟み、イングランド2部ブラックバーンで飛躍したFW大橋祐紀の存在も。欧州からは香川真司(→セレッソ大阪)、長友佑都(→FC東京)、原口元気(→浦和レッズ)など、代表クラスで活躍した選手たちがJリーグに帰還し経験値を還元してきた。その影響は、日本でキム・ミンテが肌で感じるように大きなものとなっている。
[プロフィール]
キム・ミンテ/1993年11月26日生まれ、韓国出身。福光云大(韓国)―仙台―札幌―名古屋―鹿島―湘南。J1通算199試合7得点。U-22、U-23韓国代表としても活躍。2015年に日本に渡り今季で10年目。強固なCB(センターバック)として数々のJクラブを経験。湘南では24年シーズンのキャプテンに任命され、チームを牽引している。
(FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko)