試合終盤に起きた緊急事態 浦和監督が語るドタバタ交代劇「非常に難しかった」
スコルジャ監督「ギャンブルをせずに状態を見る時間を作った」
浦和レッズは10月30日、J1リーグ第35節の先行開催分で横浜F・マリノスとアウェーで対戦して0-0で引き分けた。後半、浦和のベンチ前では目まぐるしく交代選手が準備しては取り止めてという状態になったが、マチェイ・スコルジャ監督は「非常に難しかった」とピッチ内の状況が刻一刻と変化していたことを明かした。
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後半途中まで0-0で推移してきた試合の中、浦和はMF原口元気とFWチアゴ・サンタナをMF関根貴大とFWブライアン・リンセンに代えて投入していた。そして、最後に1点を狙いにいくタイミングとも思える後半25分過ぎに、浦和のウォーミングアップエリアからはMF中島翔哉とFW二田理央が呼ばれた。
両者ともビブスを脱いでユニフォーム姿になり、ベンチ前でセットプレーの役割を確認していた後半29分、横浜FMの速攻でFW宮市亮に浦和は右サイドのDF石原広教が一気にドリブルで突破されてクロスを入れられてしまった。ここで失点はしなかったが、スコルジャ監督は中島と二田に交代を取り止めて戻るように伝えた。
さらに、このタイミングでサイドバックのできるMF長沼洋一に準備をさせようとしたが、それもストップ。最終的に中島の投入だけ用意していたが、プレーが切れれば交代が可能という状態でさらに二田も追加で呼び、後半37分に中島と二田を石原とMF松尾佑介に代えて投入。MF渡邊凌磨を右サイドバックに下げた。
目まぐるしく交代を準備しては取り止めたこの状況についてスコルジャ監督は試合後に「交代に関しては非常に難しかった」と、息をつきながら話した。「最後の20分間で足をつる選手がいた。それもあり、交代のタイミングを待つこともあった。サイドバックが2人(石原とDF大畑歩夢)とも足がつり、どちらを交代させるかギャンブルをせずに状態を見る時間を作った。(ボランチの)サミュエル・グスタフソンの足もつっていたので、90分できるかどうかも見極めていた」と、ピッチ内の選手の状態を確認しながら対応に追われていたとした。
スコルジャ監督はバタバタと交代を実施せずに、最終的に落ち着いて決断を下した。昨季に浦和を率いていた際も、交代選手の活躍で試合終盤にスコアを動かしたこともある。23日の柏レイソル戦も、途中出場のサンタナが決勝のPKを獲得して自ら蹴り込んだ。この試合も、最後はオフサイドでゴールは認められなかったものの、原口、二田、サンタナとつながってゴールにボールが吸い込まれる場面を作った。
関根はスコルジャ監督のことを「90分を通してのゲームのストーリーとか、そういうものをすごく考える人」と話していた。次々に状況が代わり見た目にはバタバタした姿になったベンチワークだったが、終わってみればチームを不安定にすることなく乗り切っていた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)