「1対1の技術は凄い」 守護神陥落の西川が試合勘ゼロの川島の繰り出した“神セーブ”に脱帽

最終予選初のベンチにもライバルから貪欲に学ぶ

 日本代表GK西川周作(浦和レッズ)は、23日のロシア・ワールドカップ(W敗)アジア最終予選の敵地UAE戦で先発の座を剥奪され、ベンチで90分間過ごすことになった。定位置を奪ったGK川島永嗣(メス)の強みでもある1対1の強さと迫力を吸収したいと窮地にも意気込んでいる。

 西川は最終予選の前半5試合で全て日本のゴールを守っていたが、浦和レッズでの不安定なプレーが災いしたのか、先日のUAE戦では川島にそのポジションを奪われた。

「常に一番良い選手が代表では試合に出る。それは監督が決めることなので、自分は受け止める。出ない時の役割があるし、それを考えながら勝利に貢献したいと思っていた。だから、チームで勝てたことが嬉しかった。UAEの完全アウェーでパーフェクトに近いプレーをしていた。あのメンタルは学ばなければいけないし、一緒にトレーニングすることでも学ぶことがある。ゴール前での迫力、特に1対1での体の使い方でコースを消す技術は凄いと思う。あれは永嗣さんにしかできないし、」

 今季メスと第3GKとして契約を結んだ川島はリーグ戦で一度も出番がない。試合勘ゼロの状態で抜擢されたUAE戦の前半20分に1対1の強さを見せつけた。MFアルハンマディのスルーパスにFWマフブードが抜け出して迎えたピンチで、両足を広げ、股間を狙ったシュートを左足でブロックして完璧に阻んでいた。

 ハリル監督はUAE戦では「経験値」という要素をキーワードにしていた。試合勘ゼロだが、過去W杯2大会でゴールマウスを守った川島をスタメンのピッチに送り込んだ。そして、川島は一世一代のセーブでチームの勝利に貢献している。ベンチからポジションを争うライバルのプレーぶりから貪欲に学ぼうとした西川はタイ戦で再び出番を手にできるだろうか。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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