長谷川唯も感嘆、内田篤人コーチの仕込んだ“戦略” 選手が実感「ポジティブな要素多い」

1試合限定でなでしこジャパンのコーチを務めた内田篤人氏【写真:徳原隆元】
1試合限定でなでしこジャパンのコーチを務めた内田篤人氏【写真:徳原隆元】

佐々木監督代行、先制弾は「デザインされていた」

 なでしこジャパン(日本女子代表)は10月26日に韓国女子代表と国際親善試合に臨んで4-0で勝利した。先制点はコーナーキックから生まれたが、内田篤人コーチの立てた戦略が結果に表れた。

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 日本は今夏のパリ五輪を終え池田太監督が退任。正式監督が未決定のなかで、日本サッカー協会(JFA)女子委員長で2011年ドイツ女子ワールドカップ(W杯)優勝監督の佐々木則夫氏が監督代行を務め、男子の世代別代表でロールモデルコーチを務めた元日本代表DF内田氏がコーチを務めるなど、この1試合限定の体制で日韓戦に臨んだ。

 その合宿の中で内田氏はチームのセットプレーを担当したとされていた。そのなかで前半、ショートコーナーから切り崩すアイディアのあるプレーが見られた。そして前半32分、MF長谷川唯がコーナーキックを蹴るとニアサイドに走り込んできたDF北川ひかるがコースを変えてゴールに流し込んで先制に成功した。佐々木監督代行はこのゴールについて「デザインされていた。中の選手もブロックをして前をフリーにした。長谷川選手もいいクロスで、北川選手が入ってくるのは知らなかったけど、タイミングとウッチーのおかげだと思う」と話した。

 キッカーの長谷川は「アイディアを出してもらったし、誰がどこをブロックするなど動き方の工夫を指導してもらった。そこはポジティブに出ていたと思う」と話す。また、内田氏の現役時代は日本代表や欧州でハイレベルな戦いを経験してきた歴代有数のサイドバックだっただけに「サイドバックの選手は特に、個人戦術や身体の向き、ポジショニングのアドバイスももらっていた。すごくなでしこにとってポジティブな要素が多かったと思う」と話す。

 その指導についてこの日が代表デビューだった右サイドバックのDF遠藤優は「チームでは私が生かされる側で高い位置を取るけど、代表には前に仕掛けられて足の速い選手もいる。私がみんなの良さを引き出すことを今回の合宿で教えてもらった。紅白戦でも付きっきりで教えてもらえたので、チームに持ち帰って共有していきたい。学ぶことが多くて、自分の幅も広がったし、チームに持ち帰ってからの楽しみも増えた」と話した。

 また、左サイドバックの北川は「自分自身が今まで悩んでいたことや、この時はどうしようっていうところを内田さんも教えてくれるし、本当に自分にとってはありがたいコーチだと思う」と話し、遠藤と同様に「もっと判断して、別に自分がもっと低い位置でもらってもいいっていう話をしてくれた。確かにリスクのところは自分自身ももっと流れを考えながらやらなきゃいけないし、ありがたかった」と、ポジショニングへのアドバイスについて感謝していた。

 なでしこジャパンは正式監督が未決定のため、コーチングスタッフの体制も今回限りのものとなる。ただしJFAの宮本恒靖会長は試合後、内田コーチについて「今後に関しては、新しく代表監督になる人の意向がかなり大きく働くと思うし、もちろん内田篤人自身の考えも含めてかなと思う」と、新体制で内田氏がコーチを務める可能性について話した。

 JFA女子委員長でもある佐々木監督代行が今回のコーチングスタッフ入りを熱望して実現しただけに、正式な内田コーチ就任が実現するのか注目される。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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