Jで起きた“跳ね返りハンド”の正否…VAR取り消しジャッジは妥当、JFA示した「正しい判定」

ハンド判定の正しい解釈が明示(写真はイメージです)【写真:徳原隆元】
ハンド判定の正しい解釈が明示(写真はイメージです)【写真:徳原隆元】

JFA審判委員会がハンドの反則に関する正しい解釈を明示

 日本サッカー協会(JFA)の審判委員会は、10月24日にレフェリーブリーフィングを実施。判定における1つのトピックスとしてハンドの反則に関する解釈が取り上げられ、「明らかにボールの方向が変わっている場合」の説明がされた。

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 現役時代にビッグマッチでの経験も豊富な佐藤隆治JFA審判マネジャーは、たびたびルールが変更されるハンドの反則について「(手にあたる直前に)明らかにボールの方向が変わっている場合、追加的な手の動きがなければハンドにしないという解釈で動いている。今年のアジアカップのセミナーでも同様に強調された」として、2つの例を挙げた。

 1つ目は3月16日のヴィッセル神戸とサンフレッチェ広島の試合での前半41分に起こった場面。神戸の攻撃でFW武藤嘉紀のクロスが2人で対応していた広島の選手のうち1人に当たり、そのボールがもう1人の選手の手に当たった。武藤はハンドを主張していたが、佐藤マネジャーはこれをハンドにならない例として「武藤選手からゴール前方向に流れていくボールが蹴られ、それがディフレクションして明らかに方向が変わっている。(当たった手は)その時点での手の位置から明らかに動いているわけではない」と説明した。

 もう1つは9月23日の京都サンガF.C.とガンバ大阪の試合での後半アディショナルタイム、同様にG大阪の選手に対して京都の選手が2人で対応している場面で、京都の1人がクロスをブロックしたボールがもう1人の手に当たった。これは現場で主審がPKと判定したものの、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入でオンフィールドレビューが行われ、PKではないと判定は変更になった。

 佐藤マネジャーは「VARが入ったことで結果的に正しい判定だが、目指すものは現場でノーファウルの判断をすること」と説明した。

 また、この時はブロックしたボールの跳ね返りがG大阪の選手に渡って攻撃が継続できる状態だったが、PKの笛でプレーが止まった。判定変更後にGKへのドロップボールで再開されたが、佐藤マネジャーは「PKの判定を取り消した場合は、笛の時点でのボールの位置に関わらず再開はドロップボールになる」と、以前にピッチ上で混乱が起こったのと似た事象だっただけに、改めて話していた。

 シーズンも最終盤に入り、ゴール前のハンドによるPKは試合の行方を大きく左右することがある。こうした、ボールの跳ね返りが手や腕に接触する場面も出てくることが予想されるが、その場合の解釈は頭に入れておきたいところだ。

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