J1残留へまたも試練「嫌なデータを見てしまった」 蘇る10年前の殊勲弾「だいぶ勝ってない」

ホームで柏に勝利した浦和【写真:徳原隆元】
ホームで柏に勝利した浦和【写真:徳原隆元】

柏に勝利で浦和の連敗ストップも…次戦アウェー戦へ嫌なデータが

 浦和レッズは10月25日に公開練習を実施。2日前の柏レイソル戦で連敗を4でストップしただけに穏やかな空気があったが、次の対戦相手は現在アウェーで5連敗中と厳しい成績の残る横浜F・マリノスとなる。MF関根貴大は「自分たちがどれだけコントロールできるか」をポイントに挙げた。

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 柏と対戦した23日の試合では、MFサミュエル・グスタフソンが最終ラインを出入りしながらボールを動かして前進した。これまでは逆の立ち位置を取ることの多かったMF安居海渡は、それがマチェイ・スコルジャ監督からの指示だったことを明かした。それがマイボールの質を上げることに寄与したのは明らかだったが、この役割分担に関して「意図があるパスが入ってくるし、やりやすい」と話した。まずはこの形をベースに今後は戦っていくことになると予想される。

 残留争いの中で一息ついた浦和だが、次の対戦相手は2018年を最後にアウェーで5連敗している横浜FM戦になる。関根は「選手同士で話していて、だいぶ勝っていない気がするよねと、嫌なデータを見てしまった」と苦笑い。それでも、「お前が決めて勝った以来だっけ? って言われたんですけど、10年くらい前ですからね。ただ、今までは最初のほう(春先)での対戦が多かったけど、今回はその時と同じような時期だし、そんな感じでいきます」と不敵な笑みを浮かべた。

 関根が日産スタジアムでの横浜FM戦でゴールしたのは、まさに10年前の2014年11月3日の対戦で浦和を1-0の勝利に導いたもの。デビュー年で19歳の勢いある若手が途中出場から3分のゴールで勝負を決めていた。

 改めて柏戦を振り返ると、グスタフソンの入った浦和が前半からボールを持って振り回すことで、柏の体力を削った側面がある。そして、ラスト15分くらいからMF原口元気やMF中島翔哉、関根といった推進力のある選手を投入してギアを上げた。昨季もスコルジャ監督の指揮下でプレーしている関根は「そういう90分のストーリーみたいなものをすごく考える人。だから、(柏戦の前に)途中からと言われた時にモヤモヤするのではなく役割を理解してゲームに入れた」と話した。

 再現したいのは似たような展開だろう。対戦相手が前残りすることもある強力な攻撃陣を擁する横浜FMだけに「やることは変わらないけど、自分たちがどれだけコントロールできるか。相手に攻撃をさせないようにボールを握りたい」として、「守るところは守って、勝負を決める状態に持っていきたい」と話した。

 柏戦でヒントを得た90分間のゲーム運びと途中出場選手の活躍。それが、5連敗中と不吉なデータが残る鬼門を突破して残留争いから完全に抜け出すカギになりそうだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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