J1残留争い、命運分けた“天国と地獄” 激闘表す言葉「運が味方した」「神様が微笑まなかった」
浦和が後半アディショナルタイムでPKから奪った1点が決勝ゴールに
浦和レッズは10月23日にJ1リーグ第25節の延期日程となっていた柏レイソル戦に臨み、1-0で勝利した。危機的状況で迎えたゲームはラストプレーでの劇的PKで決着がついたが、「今回は運が味方をしてくれた」、「サッカーの神様がいるなら微笑まなかった」と、両監督はそれぞれの表現でこの激闘の決着を振り返った。
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このゲームは8月7日の開催が予定されていたが、雷雨により中止になっていた。そこから浦和はペア・マティアス・ヘグモ監督からマチェイ・スコルジャ監督への交代を挟んだが、前の東京V戦まで4連敗と苦しんだ。柏もまた、浦和戦の前の7試合でわずか1勝と苦しい状況に陥って順位を落としてきた。この試合は、ともに勝ち点39で降格圏の直上で暫定16位と同17位に位置する重要度の高いゲームになった。
互いにノーゴールで試合が進むと、ラスト10分ほどでは浦和がMF原口元気とMF中島翔哉を投入し、互いに疲労も見せてオープンになった展開で優位に立った。それでもこのまま0-0で試合が終わるかというラストプレーで、浦和は左サイドからペナルティーエリア内へ侵入。MF関根貴大のパスを受けたFWチアゴ・サンタナが中央へ入れたところ、DF立田悠悟がブロックした。福島孝一郎レフェリーはコーナーキックを指したが、浦和の選手たちは立田の手にボールが当たったと主張した。
平日にもかかわらず2万6304人が詰めかけたスタジアムが騒然とするなかでビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が介入し、オンフィールドレビューが実施され、判定はPKに変更された。これをサンタナがゴール右に蹴り込んだ直後にタイムアップの笛が鳴り、劇的な決勝ゴールにより大一番は浦和が勝利した。立田のプレーは、競技規則では明確にハンドでPKと判定されるべきものだったが、ブロックに入ったタイミングでボールがその位置に飛んできた不運も多分にあった。
記者会見場に姿を現した柏の井原正巳監督は「今日の試合の重要性は捉えた中でゲームに入った。狙いを持って浦和さんのやりたいことも防げたところ、中3日のゲームだったが、拮抗した狙いの持ったゲームができたんじゃないかと思う。最後の最後、サッカーの神様がいるなら微笑まなかったと思うが、これもサッカーなので受け入れて残り4戦、自力で残留を決めることができる。下を向かずにやっていくしかない」と敗戦を受け止めていた。
一方のスコルジャ監督は「最後の最後まで得点を求めて戦った中で、今回は運が味方をしてくれた。ここ最近の試合では運に見放されていた流れがあった」と話す。4試合前のFC東京戦では、同様に目の前に入ってきた相手がコースを変えたボールがDF石原広教の腕に当たりPKを献上した場面があった。
予測の難しい、ほんの少しのボールの軌道の違いで天国と地獄が分かれてしまう。あらためてサッカーの面白さと同時に厳しさも感じさせる最後の1プレーになった。