浦和サポと話し合い→ミーティングの裏側 GK西川が明かした「忘れがちだけど、大事にしたい」言葉
GK西川「今日の勝利は1試合にしか過ぎない」
浦和レッズは10月23日に行われたJ1リーグ第25節延期分の柏レイソル戦と対戦した。消化試合数に差があるものの勝ち点39で並ぶ相手との試合に敗れれば、本格的に残留争いに巻き込まれていた浦和だが、0-0で迎えた後半アディショナルタイムにFWチアゴ・サンタナのPKで1-0の勝利を収めた。
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GK西川周作は前節の逆転負けを喫して5年ぶりの4連敗を喫した東京V戦(1-2)後、MF原口元気とともにゴール裏のサポーターと話し合う機会を持っていた。その翌日には原口、MF関根貴大の呼びかけもあり、選手だけでミーティングを行った。この時に西川は、キャプテンとして最初にミーティングをやる意味を伝えるとともに、サポーターからかけられた言葉をほかの選手たちとも共有したという。
「前回のヴェルディ戦のあとにサポーター、ファンの方と話す機会もあって『いつでも味方だから。1人1人が責任感を持って戦うところ、そういう姿を見せてほしい』と言われました。その後、選手みんなでミーティングして、思っていることを言い合ってポジティブな方向に向かったと思います」と、この話し合いが戦う姿勢を取り戻したと指摘した。
そして、「今日みたいに戦うことができれば、勝つこともできると再認識されたと思います。今日の勝利は1試合にしか過ぎないですし、次の試合は本当に大事になってくると思うので、この勝ち点3を無駄にしないように、また良い準備をしていきたいなと思います」と、続けた。
このミーティングでは試合に出ていないベテランのFW興梠慎三やDF宇賀神友弥も思いを口にしたという。「本当にみんなにグッとくるものがあったと思う」という西川は、なかでもFW安部裕葵の言葉に「忘れがちだけど、大事にしたいな」と、感じるものがあったという。
「彼が言ったのは『選手1人1人に対して『ありがとう』の気持ちを持つこと。愛をもらっていることを考えないといけない。ミスをしても、自分がカバーするぜみたいな気持ちが表れる』と。ありがとうという気持ちの大切さを安部は自分がプレーできていないなかでも言ってくれた。僕はそれを大事にして、今後も戦っていきたいなと思いました」
この日の勝利で浦和は一気に12位まで浮上した。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)チェックが入った際には、自分の守るゴール裏のサポーターを煽り、スタジアム全体でPKを獲得する雰囲気を作り上げようとした守護神は、「この勝利の価値はみんなが理解していると思いますし、今日無失点で勝てたこと、ホームで勝てたことで、また勢いが出ると思います」と言い、「この1週間の過ごし方や、横浜F・マリノス戦で勝つための準備は、みんなが意識高くやっていかないといけないと思います」と言う。
この日も失点を避けるために慎重なプレーが多くみられた。だが、浦和にはより高いサッカーの質も求められる。降格圏から離れたことで、今後は多少リスクを冒したプレーも出しやすくなるかもしれない。だが、西川はまずは継続することが重要だと強調した。
「自分たちはまず残留をしっかり決めるために割り切って戦わなければいけない。内容どうこうよりも我武者羅に戦って、あきらめない姿勢などが今は試されると思います。自分たちがここから変わっていくチャンスだと思うので、そこはポジティブに捉えながらやっていきたい」。
シーズン終盤、想定していなかったであろう残留争いに足を踏みいれた浦和だが、自分たちの土台として必要なものをあらためて確認できたことは、来季以降のチームにもつながっていくはず。まずは可能な限り早く来季もJ1でプレーする権利を確定させ、今季のうちから来季に向けた再建にも着手したいところだ。
(河合 拓 / Taku Kawai)