ブラジルリーグは「いい意味でカオス」 松岡大起が語るJとの違い…現地で感じた“サッカー熱”【インタビュー】

アビスパ福岡の松岡大起【写真:(C) avispa fukuoka 】
アビスパ福岡の松岡大起【写真:(C) avispa fukuoka 】

松岡大起がブラジルでの生活を振り返った

 J1のアビスパ福岡で今季よりプレーするMF松岡大起は、ユース年代より注目されてきた。それでも欧州からのオファーなしや、初の海外挑戦となったブラジルでは公式戦出場が0など厳しい期間を過ごした。今回はブラジルリーグとJリーグ、さらに国内でのサッカー人気の違いを語ってもらった。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小西優介/全2回の2回目)

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 2023年、Jリーグが開幕し3試合に出場していた松岡は3月19にブラジル2部のグレミオ・ノボリゾンチーノへ期限付き移籍を果たした。22シーズン終了後に欧州移籍を目指すもオファーがないなかでブラジルからオファーがあり、「自分自身の良さを出して活躍したいという思い」で移籍を決断した。

 しかし、環境や練習にも慣れ徐々に自分の強みを出すことができたいたものの、1年を通じて公式戦の出場は「0」に終わり、日本へ帰国した。「人生で一番苦しかった期間でしたけど、チャンスが来た時に自分の力を発揮できるように準備をして、苦しい中でも強いメンタルを持ち続けることが重要なことだと学びました」と当時を振り返った。

「ブラジルリーグはいい意味でカオス。ルールが少ない分、サッカーの本質の嫌なところだったり、そういったところを突いてくる選手がいて、それが当り前」とリーグの印象に言及している。

また「個の能力が世界を見てもトップクラスで、どこに行っても重宝される。剥がす能力、早さ、強さ、奪う能力が凄いなと感じた。ここで活躍する選手はどこに行っても活躍できると思った」とブラジルから欧州5大リーグのトップに移籍する選手が多い理由についても明かしている。

「欧州トップ選手でもブラジルだと活躍できない可能性もある」

 ブラジルから直接欧州トップチームへ移籍をしている例では、スペイン1部レアル・マドリードでプレーするヴィニシウスやロドリゴ、さらに2022年に今季からの移籍が内定していたエンドリッキ、バルセロナで活躍したネイマール(アル・ヒラル)などが挙げられる。

 公式戦での出場こそなかったものの、実際に現地で練習を積み、試合を見ていた松岡は「世界のトップリーグで活躍している選手がもしブラジルリーグ行ったとしても、活躍できない可能性もあるリーグだなと実際に行って、見て感じた」と、それほど難しいリーグだと印象を話した。

 さらに「最近代表は難しい時期を過ごしている」と、2026年北中米ワールドカップ(W杯)南米予選で3勝1分4敗の5位と苦戦しているものの「だけど、以前にはW杯でも優勝しているし、歴史的なところもありサッカー人気は落ちていないと思う」と言及している。

 またブラジルのサッカー人気については、「サッカー人口の多さは日本よりもブラジルの方が多いと思う。実際に生活していていると、小さい子から90歳ぐらいの人がサッカーをやっていて、話をして、どこでも映像が流れているぐらい、ほぼほぼの人の生活の一部になっている。全員がそれぞれ好きなチームがあって熱量が違うなと思ったし、街中にサッカーがあふれている」と、日本との違いについても明かしている。

 代表としては苦しい時期を過ごしているものの、サッカー熱や人気自体の衰退を感じることはなかったという。その点日本代表は2次予選、最終予選と好調も、アウェーでの放送がなかったりとサッカー人気の低迷の声が挙がっているがどのように盛り返すのか、26年W杯での躍進に期待したい。

[プロフィール]
松岡大起(まつおか・だいき)/2001年6月1日生まれ、熊本県出身。サガン鳥栖U-18―鳥栖―清水エスパルス―グレミオ(ブラジル)―福岡。鳥栖時代には高校2年生でプロデビューし、翌年にはクラブ史上初となる高校3年生でトップ昇格。各年代のアンダー代表でも活躍し、2022年に悲願のA代表初招集。

(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)

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