J1残留への打開策「四六時中考えて」 浦和が降格圏と勝ち点差4、経験者が語る危機脱出の糸口

J1残留争いに直面している浦和【写真:徳原隆元】
J1残留争いに直面している浦和【写真:徳原隆元】

原口は11年に浦和で苦しい時期を経験

 浦和レッズは10月19日のJ1リーグ第34節で東京ヴェルディに1-2で敗戦した。リーグ戦では5シーズンぶりの4連敗で本格的に残留争いを強いられることになった。浦和に今夏復帰したMF原口元気は、チームをどう改善するかについて「四六時中、考えて行動しなければ」と話した。

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 浦和は前半27分に前線でのディフェンスによりボールを奪うと、MF渡邊凌磨が鮮やかな左足シュートを決めて先制した。浦和はこれがリーグ4試合ぶりの得点で、リードを奪う展開に持ち込んだ。

 しかし後半14分、セットプレーを早く始められたところから中央に入ってきたボールのこぼれ球をDF綱島悠斗に蹴り込まれ同点に追い付かれると、後半31分にはコーナーキックから綱島に頭で叩かれて逆転ゴールを許した。浦和は4試合連続でセットプレーがらみで失点を喫する結果に。最後の反撃もなかなか相手ゴールに迫ることができず、このまま敗れた。

 浦和は2019年5月以来のリーグ4連敗。8月末にペア・マティアス・ヘグモ監督を解任し、昨季も指揮したマチェイ・スコルジャ監督が復帰してから1勝4敗と泥沼の状態に。日程上での未消化扱いの試合が2試合あるものの、勝ち点39の暫定16位で今節を終え降格圏との差が勝ち点4になる危機的な状況に陥った。

 代表活動で中断した2週間について原口は「この2週間で取り組んだものがあまり示せなかったのはすごく残念だと思う。結構、練習では手応えがあったので。何でこうなったのか、もう一度考えないといけない」と、多少なりともショックを受けたような言葉を残す。そして「攻撃にしろ守備にしろ、自分たちが用意してきたものが出せなかった」と話した。

 浦和が本格的にリーグ戦の残留争いをするのは2011年と19年以来。近年では選手が大幅に入れ替わっているものの、基本的にこうしたネガティブなプレッシャーの懸かるゲームを経験している選手は少ない。

 そのなかで、今季に京都サンガF.C.から移籍加入したDF井上黎生人は「京都で2年間残留争いをして、こういう試合を何回も繰り返して残留してきた」として、「落ちてしまうのではないかという試合では、1プレーごとの判断の重みが違う。1つのミスでチームのムードが『どよーん』としてしまうのはありがちなこと。そこで、そう見せないような雰囲気作りが大事だと思う。今日も2点目を取られた時に『どよーん』となるのではなく、ここからだよと(ならないと)。まだまだ時間もあったし、そういう気持ちをチームとして出さないといけない」と言及した。

 原口はドイツ移籍前に浦和でプレーした11年にその苦しい時期を過ごした経験を持つ。当時はシーズン終盤に踏ん張り残留を勝ち取った。それだけに「本当に、1日1日を大切にするしかない。2週間ちゃんと準備してもこれだった、これでもダメかというところで、さらに詰めなければいけない部分があると思った。1日1日、1回1回の練習を本当に大切にして、チームがどうやったら良くなっていくかを僕も四六時中考えて行動しなければいけないと思う」と話していた。

 浦和は23日に勝ち点39で並び暫定17位の柏レイソルと対戦する。あまり歓迎された形ではないが、今季の中でも有数の“ビッグマッチ”を迎えることになる。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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