J2降格危機…浦和ゴール裏から「強い言葉や厳しい言葉」 原口元気が受け止めた選手の責任
「非常に冷静に、彼らの思いをしっかり聞くことができた」
浦和レッズは10月19日のJ1リーグ第34節で東京ヴェルディに1-2で敗戦した。リーグ戦で5シーズンぶりの4連敗を喫した試合後、主将のGK西川周作とMF原口元気がゴール裏の浦和サポーターと話し合いをする姿があった。原口はそれについて、冷静な話し合いであったとしたうえで「しっかりチームでミーティングをして彼らの言葉を伝えなければいけないと思った」と話した。
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浦和は前半27分に前線でのディフェンスによりボールを奪うと、MF渡邊凌磨が鮮やかな左足シュートを決めて先制した。浦和はこれがリーグ4試合ぶりの得点で、リードを奪う展開に持ち込んだ。
しかし後半14分、セットプレーを早く始められたところから中央に入ってきたボールのこぼれ球をDF綱島悠斗に蹴り込まれ同点に追い付かれると、後半31分にはコーナーキックから綱島に頭で叩かれて逆転ゴールを許した。浦和は4試合連続でセットプレーがらみで失点を喫する結果に。最後の反撃もなかなか相手ゴールに迫ることができず、このまま敗れた。
浦和は2019年5月以来のリーグ4連敗。8月末にペア・マティアス・ヘグモ監督を解任し、昨季も指揮したマチェイ・スコルジャ監督が復帰してから1勝4敗であり、スコルジャ監督と同じタイミングで約10年ぶりに浦和復帰してチームに加わった原口にとっても、忸怩たる思いもあるだろう。試合を終えると浦和サポーターからは大きなブーイングが響いたが、多くの選手がロッカールームに引き上げる中で主将の西川と原口がゴール裏のサポーターと向き合っている姿があった。
この場面について原口は、まず冒頭に「非常に冷静に、彼らの思いをしっかり聞くことができたし、もちろん何て言うんだろう、強い言葉や厳しい言葉も聞こえてきたけど、基本的には非常に冷静に彼らの思いを受けることができた」と、険悪な言い合いのようなことが起こったわけではないとした。
そのうえで「彼らの思いをやっぱり選手に伝えないといけない。今こういう厳しい状況のなかで、ある程度いろいろな部分を変えていかなければいけないというのがあると思う。彼らが僕らにとってアドバンテージになる存在なのは間違いないので、彼らを盛り上げるようなプレーをしなければいけないし、一緒に戦うような雰囲気をもっと作らないといけない。彼らが見たいのは、やっぱり戦っている姿、走っている姿、熱くプレーしている姿だと思うので。そこに対してまだ足りていない部分があると思うので。それは、僕も含めて」と、受け取った思いについて話した。
原口は約10年前にドイツ移籍をする前に浦和でプレーをしていた時から、サポーターから受け取るエネルギーを大事にしてプレーしてきた。その大きな声援を受けることで「スイッチが入る」という言葉も残している。それだけに、こうした厳しい声も正面から受け止める姿勢を示した。
そして「今日聞けたことは僕自身にとっても良かったと思うので、しっかりチームでミーティングをして彼らの言葉を伝えなければいけないと思った」と、チームメートにも思いを伝えると誓った。23日には勝ち点39で並び暫定17位の柏レイソルと対戦する。本格的に残留争いをする中では大一番になるが、そのホームゲームでチームとサポーターが一体になった力を見せられるのか。原口が果たすべき役割も大きいと言えそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)