J3→J1に飛び級から1年…2桁目前の23歳 「成長している」監督が明かす覚醒の理由

湘南の福田翔生【写真:徳原隆元】
湘南の福田翔生【写真:徳原隆元】

同点ゴールを奪った湘南の福田翔生、今季9ゴール3アシストとブレークの兆し

 湘南ベルマーレは10月19日、J1リーグ第34節でサンフレッチェ広島に2-1で勝利した。11試合も負けなしだった首位を逆転で撃破。試合の流れを変えたのは、後半3分にFW福田翔生が奪った同点ゴールだった。昨年8月にJ3のY.S.C.C.横浜から飛び級で加入。今季9ゴール3アシストとブレークの兆しを見せている。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

 東福岡高から2019年に当時JFLのFC今治に入団したが、4年間でノーゴールに終わっていた福田。しかし、YS横浜に移籍した昨季、21試合で11ゴールの大活躍でJ1への切符を掴み取った。湘南では途中出場で10試合に出場するなど奮闘した一方、ノーゴールとストライカーとして目に見える結果では現れなかった。

 ところが今季、4月30日の横浜F・マリノス戦で待望のJ1初ゴール。徐々に先発出場を増やすと、得点を積み重ねてきた。9月28日の鹿島戦では貴重な勝ち越しゴールを挙げると、3連勝の期間はすべての試合で85分以上プレーするなど不可欠な存在に。そんななかでも、最後まで足が止まらないタフさは際立つ。

 あと1点に迫る2桁得点は「もちろん(意識)しています」と話す。「本当に1試合1試合、全力で戦うというのが自分の中であるので、そこだけは絶対に忘れずに、その中でしっかり点も決めてやっていきたいなと思います」。この日のスプリント数は驚異の29回。J1全体でも1位と最後まで気迫を見せていた。

 まだ23歳と若く、得点を奪うたびに注目の存在になるのは間違いない。山口智監督も「9点を取って、そうやって見られるのはいいことだと思います」とした上で「彼ももちろん成長してるし、その強度を持つ中でタスクをこなしながらチャンスでゴールに向かうところはもちろん良くなってきた」と評価する。

 一方で、「その関係性を作ったところは忘れたくないなと思います。全体が全員が成長してるからこそ、そういうところに得点が生まれてくる」とも。この日のゴールもMF茨田陽生の右クロスのこぼれ球を押し込んだ。「個々の評価をするなら全員素晴らしいです」と指揮官はチームとしての成熟を感じている。

 福田本人も「もう本当にチームみんなが戦ってくれた結果、自分のところにこぼれてきたりする。本当にチームみんなに感謝ですし、そういう気持ちです」と実感している。どんなに素晴らしいストライカーがいても、そこにお膳立てできなければ意味がない。チームの成熟が23歳を覚醒させようとしている。

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング