「日本だけじゃない」ストライカー不足 ポルトガル英雄が見た現代サッカー「少し変わった」

ヌーノ・ゴメス氏がJヴィレッジにて指導【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
ヌーノ・ゴメス氏がJヴィレッジにて指導【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

元ポルトガル代表FWヌーノ・ゴメス氏がトレーニングキャンプに参加

 日本サッカー協会(JFA)は10月18日から国際サッカー連盟(FIFA)が展開する「Talent Development Schemeプログラム」の一環で、ストライカーとゴールキーパーの育成を目的としたトレーニングキャンプを福島県のJヴィレッジでスタートさせた。19日の練習後、この日に来場し指導を行った元ポルトガル代表FWヌーノ・ゴメス氏が取材対応し、「ほとんどの国がストライカー不足」と言及している。

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 JFA主催で2006年からポジション別のトレーニングキャンプは開催していたが、昨年は開催されず2年ぶりの実施となった。今回は新たな取り組みとして、ストライカーとGKの2つのポジションを融合。そして男女同時開催することで、日本国内における共通課題、そして男女別の課題を抽出することで、国内での育成環境を更に発展させ、より国際競争力を有する選手を育成していくことを目指していくとしている。

 2日目の午後の練習にはゴメス氏が登場した。ゴメス氏は現役時代、ポルトガルの強豪ベンフィカに長年在籍し、国内や、フィオレンティーナ(イタリア)、ブラックバーン(イングランド)などさまざまなクラブで結果を残した。代表としては、欧州選手権(EURO)2000年大会で4得点を記録。また主将を務めたこともあり、代表通算79試合29得点をマークしている。

 クラブだけでも463試合158得点を記録している伝説的なストライカーは「トップストライカーになるには努力が必要」と前置きしつつ、「常にたくさん練習しなきゃいけないし、ストライカーとして良くなるために全力を挙げるということも必要です。それから強い精神性ですね、メンタリティも必要になるし、いつでも準備できてないといけない」と言及した。

「あと精度ですね。これも求められます。精度というものはしっかり練習をして、反復練習することによって、上げていかなければいけません。さらに自分の強み弱みを知るということもより良いストライカーになるためには必要ですそれを知った上で弱みを改善していかなければいけません」と、点取り屋のポジションにおいて必要な要素はたくさんあると指摘している。

岩渕真奈さんもトレーニングコーチとして指導をした【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
岩渕真奈さんもトレーニングコーチとして指導をした【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

「JFAはいつも選手の質を高めていこうと努力している」

 日本は以前より「得点力不足」「FWの得点力が課題」と指摘されることが多い。ベルギー時代に得点を量産した鹿島アントラーズの鈴木優磨や、スコットランドで点を決めている日本代表FW古橋亨梧などがいるものの、5大リーグで点を量産する選手が出てこない現状でもある。

 その点についてゴメス氏は「日本だけじゃないと思う。ほとんど国においてストライカー不足ということがあると思っている」と、ストライカーと呼ばれる選手が減っていると指摘。「というのは、サッカーっていうのが少し変わってきている。多くのチームにおいて、いわゆる9番的な選手、前線で右行って左いってみたいな選手はあまり見られなくなって、どちらかというと10番的な選手が最前線でプレーできるみたいな選手が増えていると思っています。だからこそこういうキャンプをやって、ストライカーを発掘したいという思いでやっている」と言及している。

 また「欧州で多くの日本人がプレーをしています。ポルトガルリーグでもそうです。守田(英正)、それからジル・ヴィセンテの藤本(寛也)にも言及しなければいけません。とても上手くやっています。欧州で活躍する選手もどちらかというと、ストライカーではなくてほかのポジションですね。スコットランドに移ったポルトガルにいた前田(大然)、それから上田(綺世)などもですね、頑張っていると思います。しかし、全般的に言うとストライカー不足というのは世界中で言われている。だからこのようなイベントを日本だけじゃなくいろんな国で行うことによって、ネクストジェネレーションストライカーを発掘したいと思っています」と力強く語っている。

 最後には子供たちに一番伝えたいこととして「このJFAがやってること、これを信じてついてきてほしいということ」とJFAの取り組みを称賛。さらに「JFAはいつも日本の選手の質を高めていこうと努力している。こういったイベントに参加できる機会っていうのは、自分たちの発展、育成、成長にとって大事な機会なんだよということを理解してほしい。それを伝えたいと思います」と締めくくった。

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