鳥栖、涙なしJ2降格「淡々としている感じ」 主力指摘の“問題点”、来季は大量流出の懸念も
13年間J1に在籍した鳥栖の降格が決定
サガン鳥栖は2012年に昇格後初めてのJ2降格が決定した。10月19日、J1リーグ第34節の京都サンガF.C.戦で0-2の完敗を喫し、他会場の結果によりJ1残留の可能性がなくなった。午後3時キックオフだった湘南ベルマーレの結果は、試合後の取材対応中に決まり、選手はその場で降格の事実を突きつけられた。選手の目に涙はなく、現地ではブーイングも起こらなかった。
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無情にも試合終了のホイッスルが鳴り響いた。他会場の状況次第だが、この時点で残留は絶望的。10人の相手に苦戦し、最後にはエースFWマルセロ・ヒアンが退場する事態に陥った。GK朴一圭が「今年を象徴するゲーム」と話したように、暗いトンネルから脱することはできなかった。
試合終了後のピッチ、膝をついて勝利を噛みしめる京都の選手と対照的に、涙なく手を腰に当てて前を見つめる鳥栖の選手たち。その時点ではまだ降格は決まっていない状況だったが、湧き出る感情を表現する選手はほとんどいなかった。
朴は「確かに何か淡々としているような感じは俺もしましたね。そこはもしかしたら今自分たちが置かれている状況でも、今の練習の雰囲気とか、普段の生活の温度感とか1つ1つに本当にこのクラブのために捧げるというのがもしかしたら、足りないと感じる方が多いのかもしれない」と、“熱”の面での問題点を指摘した。
これはクラブ愛にもつながる話。朴は「ここで活躍してほかのチームにステップアップする感覚でサガン鳥栖にいるような気がする。僕がここに来てから一番思ったのは貪欲さがすごくない。クラブで上に上がっていくという気持ちがどこか見えない」。一丸になり切れなかった体制にも問題があったとした。
2012年から13年間守って来たJ1の舞台から去り、来季は選手の大量流出の懸念もある。サガン鳥栖は再びここから這い上がっていかなければいけない。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)