土居聖真と並ぶキーマン 山形の“新ムードメーカー”が自身に課す昇格へのノルマ【インタビュー】

今季途中から山形に復帰をしたディサロ燦シルヴァーノ【写真:(C) MONTEDIO YAMAGATA】
今季途中から山形に復帰をしたディサロ燦シルヴァーノ【写真:(C) MONTEDIO YAMAGATA】

ディサロ燦シルヴァーノが勝負のシーズンに懸ける思い「昇格を成し遂げたい」

 J2モンテディオ山形のFWディサロ燦シルヴァーノは、今季シーズン途中加入ながらここまで10試合で6得点と傑出したパフォーマンスを披露している。得点を決めた試合は負けないという“不敗神話”は継続中。28歳のストライカーは、その抜群の決定力と明るいキャラクターでチームを力強く牽引している。(取材・文=石川 遼/全2回の2回目)

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 今季のJ1湘南ベルマーレでは公式戦4試合の出番のみにとどまるなど、活躍のチャンスが巡ってこなかった。7月になり、出番を求めて山形へ2年ぶりに復帰することを選んだ。前回は期限付き移籍だったが、今回は完全移籍だ。

 山形は今季開幕2連勝と絶好のスタートを切ったものの、その後3連敗とつまずき、以降も勝っては負けてを繰り返す苦しい戦いが続いた。しかし、ディサロやMF土居聖真(←鹿島アントラーズ)ら新戦力が加入した8月以降にチームは軌道に乗り、直近10試合は8勝1分1敗。最も悪い時にはリーグ16位まで落ち込んでいたが、現在はJ1昇格プレーオフ進出圏内(3位から6位)に迫る7位まで順位を上げた。

「(土居との連係は)試合ごとに良くなっていると思いますし、2人揃ってスタメンで出た試合はほとんど勝っている。そういう意味でも目に見える数字でチームに貢献できていると思います。まずはプレーオフ圏内に必ず滑り込み、さらに勝ってJ1に上がれるようにしていくっていうことがチームとしての目標です」

 個人として、「15試合で10得点」と掲げた目標にも迫る10試合6得点のハイペースで得点を重ねている。第31節ザスパ群馬戦(4-1)から直近第34節レノファ山口戦(2-0)まで4試合連続ゴール中で、得点を決めた試合は今季6戦6勝とチームを力強く引っ張っている。さらに、「普段は明るいってよく言われます(笑)。チームメイトとふざけたりするのも好き。ムードメーカーというのがどういうものを指すのかはよく分からないですけど、チームの雰囲気を明るくしている可能性はあります」と、ピッチの外でもチームを盛り立てる存在として重要な役割を果たしている。

「とりあえずは残りの4試合。次のホームゲーム(10月27日)は少し先になりますけど、前回(レノファ山口戦)は1万1000人を超えるサポーターの方々にスタジアムに来ていただいて、本当に素晴らしい雰囲気の中で試合ができました。でも、これから先には選手やスタッフの力だけでは勝ち切れない試合も出てくると思います。できる限り多くのサポーターの方々に足を運んでいただいて、山形が一丸となって、チームの昇格を成し遂げたいと思っています。ぜひ、応援よろしくお願いします」

 現在、山形は勝ち点54で7位。4位ジェフユナイテッド千葉、5位ファジアーノ岡山、6位ベガルタ仙台とはいずれも1ポイント差と、3位から6位までが出場できるJ1昇格プレーオフ進出に向けては非常に熾烈な争いが繰り広げられている。“レレ”の愛称で知られるディサロは、チームに勝利をもたらすゴールをさらに決め続けることができるだろうか。

[プロフィール]
ディサロ燦シルヴァーノ(ディサロ・あきら・シルヴァーノ)/1996年4月2日生まれ、東京都出身。法政大―北九州―清水―山形―清水―湘南―山形。J1通算34試合2得点、J2通算79試合35得点、J3通算26試合7得点。シュート技術と相手選手との駆け引きに優れたストライカー。イタリア人の父親が「インテリスタ」で、自身もイタリア1部インテルの熱烈ファン。

(石川 遼 / Ryo Ishikawa)

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