“失点0”でリーグ連敗脱出も「勝てる試合だった」 冷静さ不足…28歳FWに生じた「迷い」

太田修介【写真:徳原隆元】
太田修介【写真:徳原隆元】

太田は前半から何度もクロスを送るが決定機に結び付かず

 アルビレックス新潟は10月18日、J1リーグ第34節で横浜F・マリノスと対戦し0-0のドローで試合を終えた。リーグ戦では4連敗と苦しんでいたなかで価値あるアウェーでの勝ち点1。この結果に対し、一番満足を感じていないのは選手たちだ。リーグ戦4試合ぶりのスタメンを飾ったFW太田修介は「やはり勝てる試合だったと思う」と悔しさを滲ませている。

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 13日のルヴァンカップ川崎フロンターレ戦(2-0)で得点を決めた太田は、18日の横浜FM戦でリーグ戦4試合ぶりの先発に抜擢。序盤からスペースを見つけては裏へ抜けてチャンスを作り出そうとする。だがクロスの場面で上手く味方と嚙み合わず。中で待ち構えていたFW長倉幹樹も、大きなジャスチャーでなかなか決定機まで持っていけないチームへのメッセージを伝えていた。

「ちょっとクロスが単調になったってところでそこのアイデアと…。迫力じゃないですけど、そこの本当クオリティーと言ったらクオリティーなんですけど。冷静さとアイデアが足りなかったですね。本当に自分のクオリティー不足というか…、そこ次第では本当にチームを勝たせられたと思っているので、非常に悔しい」

 試合後に自身のプレー含め、反省点を述べた太田。前半横浜FMがリズムに乗れないなかで、ボールを支配していたのは新潟だった。右サイドの太田に限らず、左サイドのMF小見洋太、前線のFW小野や長倉幹樹が奮闘しながら、どうにも決定機まで持っていけなかった。その部分は同じピッチの選手も感じていて、長倉も「冷静さ」と同じ言葉を使って反省する。

「やはりシュートは打つべきですし、ただ無理やり打って、ほかの選手が入っていたなというプレーも今まであるので、そこは冷静さも必要かなと思っています。打てる時には打って、でも無理だと思った時はやはり自分たちでボールを保持しているので、また攻撃できることにつながるので、そういうのは意識してやっています」

 その後は徐々にホームチームも勢いを取り戻し、前線のブラジル人トリオらのキープやカウンターからピンチも迎えた。後半10分、同26分にはペナルティーエリア内まで抜け出される危機があったものの、何とか守備陣の奮闘で難を凌いだ。失点を0で抑えた点は好材料だが、両チームともに得点に迫るプレーが上手く生み出せなかった。

 太田は同18分でMFダニーロ・ゴメスと交代で退いた。ルヴァンカップでもいいイメージを持って得点できていたからこそ、不完全燃焼の思いもあるだろう。試合の中でカットインからのシュートも何本か見せていたが枠を捉えきれず、「少し迷いながらというか…。いい時、決める時はもっと迫力じゃないですけどその辺は少し足りなかったのかなというふうに思います。冷静さが全体的にちょっと足りなかったのだと思います」と本人なりに分析もしている。

 それでも交代直前まで、太田は攻守で何度もスプリントをかけ走り抜いた。チャンスを作る度にスタンドから「太田!太田!」とコールが響き、交代時にも大きな声援が飛んだ。サポーターには、太田の“熱いプレー”がきちんと届いている。あとはチーム内で課題を乗り越え、得点へ結び付けるだけだ。

 新潟は23日にリーグ第35節で東京ヴェルディをホームに迎え、その10日後には名古屋グランパスとルヴァンカップ決勝が控える。フル出場した長倉も「最後のところでディフェンスの選手が身体を張ってゼロで抑えてくれたので、感謝しています。その分自分らは点取り取らなきゃいけないなと思いました」と気を引き締めていた。前を向く選手たちが、再びチームに歓喜の勝利をもたらしてくれるはずだ。

(FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko)



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